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2021.08.17

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 

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障害があって判断能力のないわが子のためにしてあげた貯金が、自由に使えなくなる日が来るかもしれません。それも突然に。
 
私自身が経験したことを、お伝えします。参考にしていただければ幸いです。

 
わが子ではなく、妹の場合です。妹は重度の知的障害があるためお金の管理ができません。母は、妹の障害者年金はすべて妹名義の口座に積立て、お金が少しでも余分に入ったときにも妹の口座に入れていました。妹は50代ですから、それなりにまとまったお金がたまりました。
 
3年前に、叔母が亡くなり、わたしたちきょうだいに相続が発生しました。相続の手続きは司法書士がしてくれたのですが、判断能力のない人間に対しては、「身内ではない後見人」をつけることが法的に義務付けられています。
 
これは、専門的には利益相反の関係といい、お互いの利益が(言葉は悪いですが)競合関係にあるということです。身内同士は、この利益相反の関係にあたります。
 
仮に、1千万円を5人で平等に分けると、ひとり200万円になります。でも、平等に分けることを阻止する人間がいたらどうなるでしょうか? そのトバッチリは判断能力のない人間に及ぶ可能性がありあます。こうしたことを防ぐために、身内でない後見人が必要になってくるわけです。
 
この法的な根拠はとてもよくわかります。
 
で、妹には司法書士がつき、法的に決められた金額が口座に振り込まれて、相続の案件は無事終了しました。
 

ここからが重要です。
 
問題はそのあとです。一度ついた後見人は、よほどの事情(後見人が横領したなど)がない限り外すことができません。相続が終わったからといって、お役御免にはならないのです。
 
相続の件が終了してからは、妹の財産のすべては後見人が管理しています。後見人の許可なしに、妹の口座からお金を引き出すことはできません。通帳をみることすらできないのです。
 
妹のために使うお金は、司法書士を通じて通帳から引き出してもらいます。領収書が必要であったり、用途を説明したり、場合によっては通らなかったり(パーマをかけるのは贅沢だからと許可がおりないケースもあるそうです)することもあります。
 
司法書士の先生も仕事ですから、もちろん無料ではありません。妹の場合、月に2万円の支払いが発生しています。財産が多ければ、さらに金額は上がります。これが、妹が死ぬまで続くのです。
 
相続の案件が終了後は、後見人は私に交代する予定でした。でも、身内が管理するには妹の預金の額が多すぎるという理由で見送られてしまったのです。

 
では、どうすればよかったのかです。
 
結論を先に申し上げると、判断能力のない子ども名義の貯金はほどほどに、ということです。子どものために使うお金は親名義の口座に預けておくことをおすすめします。
 
もうひとつ。後見人は、あわててつける必要はありません。つけた途端に費用が発生して、しかもわが子の貯金といえども身内は通帳を見ることすらできなくなります。
 

私が体験したことは例外なのかもしれません。でも、相続は突然に発生すること、判断能力なしとみなされた人間には否応なく後見人(正式には法定後見人)がつくこと、後見人がついたとたんにその子の財産は見ず知らずの第三者に管理されてしまうことを学びました。
 
障害のある子の親は、そうでない場合に比べて、法的な知識は持っていた方がいいように思いました。

と いっても、法律の難しげな用語を見た途端に読む気が失せてしまいます。そこで、おすすめしたいのは、法律用語を使わずにわかりやすく解説してくれる本です。『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本 ダウン省の娘を持つ「相続のプロ」が明かす財産管理のしくみ』(鹿内幸四郎著 杉谷範子監修 大和出版)。障害のある子の親必読の書だと思います。もっと早くに、母も私も読んでおくべきだったと思いましたね。
 

鹿内さんは、オンラインセミナーなども無料で行っています。こちらもネットで検索してみてください。
 
 
 

 
 

 

トビラコ店主

 

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