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言語聴覚士さんのお話を聞くたびに、子育ての話そものもだと感じることが多いです。
たとえば、「親が教えたいことだけ教えても、子どもは覚えない」というのもそうでしょう。
発語が遅い子に、言葉をお教えたいあまりに、言葉を連呼するのはよくあること。「ボール」という言葉を覚えてほしくて「これ、ボールだよ、ボール」というふうに。
でも、子どもは、そこにあるボールに関心がないかもしれません。他のことを考えているかもしれません。
そんなとき、先日お話をお聞きした言語聴覚士さんは、こんなふうにするそうです。
ボールを滑り台のてっぺんから転がします。(おや、なんだろう)と、子どもがボールに目をやったところで、「コロコロ、ポーン」と語りかけます。「ボール」と教えるのではなくて、「コロコロ、ポーン」と言いながら子どもと遊ぶというのです。すると、子どもも「コロコロ、ボーン」と言うようになり(すぐにではなくても)、だんだんと、口マネすることを覚えていくそうです。言葉は「マネ」することが基本。ただ、子どもが興味がなければ、マネはしません。
子どもが「注目したものに注目する」ところがポイントです。
ボールに注目してほしいなら、子どもが注目したくなるような仕掛けが必要ということですね。もし、ボールを転がしても注目しないなら、ボールには関心がないわけで、無理に注目させなくていいのだとか。
親が教えたいことだけ教えても、子どもにその気がなければ身につかないし、もし教えたいなら、子どもが興味をもつような仕掛けや工夫が必要。そんなことを言語聴覚士さんに教えていただきました。子どもが何に注目しているのか、子どもをよく見るということが大事。これ、子育ても同じですよね。
トビラコ店主
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