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2021.11.23

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障害のある子の親といっても、いろいろな人がいます。あたりまえの話です。でも、なんだか、ひとくくりにされて語られることがあって違和感があるんですよね。
 
意外に(?)サバサバしているとか、パワフルであるとか、明るいとか。
 
いやいや、我が母も含めて、じつにいろんな親がいますよ。ネチネチしている人もいれば、冷たい人もいるし、暗い人だっているんです。もちろん、明るくてパワフルな人、姉御肌の人、可愛い人、天真爛漫な人もいます。というか、人って、そんなに一面的ではないはず。その時々に見せる顔が違うという、あたりまえが、なぜか障害のある子の親は〇〇的に語られてしまいます。
 
先日、「梅切らぬばか」https://happinet-phantom.com/umekiranubaka/about.phpの監督、和島香太郎さんに話を聞いて、あ、こういう見方はあるなと思いました。
 

和島監督は、この映画を撮るにあたって、たくさんの障害のある子のお母さんから話を聞いています。
 
親の年代によって、子どもの障害に対する考え方が違うというのです。
 
これは、まったくそのとおりです。さすが、ドキュメンタリーの人。
 

80代、70代あたりと、50代、40代、そして30代だと、障害に対する見方や考え方は違います。子どもの年齢が違うことももちろん大きいでしょう。でも、その人が過ごしてきた時代による違いも大きいと思います。高齢の親ほど障害に対する世間の目が冷たかった時代を過ごしています。
 
映画「梅切らぬばか」に登場する、加賀まりこさん演じる母親の珠子は70代。自閉症の息子の忠さん(塚地武雅)は50歳。こだわりの強い自閉症で発語がほとんどなく、重度の知的障害の子に対する理解は、いまほどはすすんでいなかったはずです。
 
余談ですが、80代の母が障害のある弟や妹を育てていた時代、「親がバカだから子どももバカなんだ」とか「一生治らない」とか、医師があたりまえのように言っていた時代です。控えめに言って大半の教師の質は、大変に低いものでした。
 
だから珠子は相当苦労してきたはずなんですよね。「死んだことになっている父親(珠子の夫)」ともいろいろあったでしょう。一度は修羅場をくぐりぬけたからこそのサバサバ感がとてもよく出ていました。
 
和島監督に、そのことを話したら、そう感じてもらえたらうれしいし、それはひとえに加賀さんのおかげとおっしゃっていましたね。
 
今回の映画で広く知られるようになりましたが、加賀さんのパートナーの息子さんは自閉症です。加賀さん自身、監督よりも自閉症に詳しく、自閉症の子をもつ親も身近にたくさんいるそうです。おそらくいろいろなタイプの親を見て、またご自身の心情とも重ね合わせることができたのでしょう。
 
サバサバだけではないよ、隠してはいるけどいろいろな顔があるよ、という多面的なところもちゃんと出ていました。障害のある親をステレオタイプに演じないところ、やはり、大女優です。
 

 
 

 

トビラコ店主

 

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