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2022.01.18

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 

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昨日、1月17日は、阪神淡路大震災が起きた日でした。
 
27年前のことなので、若いお母さんたちは当事者でもない限りあまりピンとこないかもしれませんね。
 
私は、友人が神戸で学童保育を運営していたこともあって、阪神淡路大震災には、いろいろと思うところがあります。
 
友人の学童保育は東灘区に建つ一軒家。ほぼ全壊(柱が数本残っていたとかで、半壊の判定に)でしたが、地震が早朝だったので、だれもおらず犠牲者は出ませんでした。しかし、地震が起きた時間帯が違っていたらと思うとゾッとします。
 
子どもの心のケアについて、クローズアップされるようになったのは東日本大震災からでした。1995年に起きた阪神淡路大震災では、子どもの心についてそれほど重要視されていなかったように思います。もちろん、何人かの専門家は「子どもの心のケア」についての発言はしていましたが、みんな「心のケア」に慣れていなかったのです。
 
でも、震災の年だったか、翌年だったか、学童保育の子どもたちと親子キャンプに行って、子どもたちが心の状態が普通ではなかったという、あたりまえのことに気づかされました。
 
夕食が終わって、大人も子どももくつろいでいた時のことです。
 
「地震がきたら、机の上で踊りましょう(笑)」
「地震がきたら、ヘルメットを脱ぎましょう(笑)」
「火事になったら、家の中に飛び込みましょう(笑)」
 

ゲラゲラと笑いながら、数人の子どもたちが戯れあう姿が見られました。手をあげて踊りながら、かぶっている帽子を投げ飛ばしながら、いつまでもやめようとしません。どんどんハイになっていくのがわかりました。
 
その遊びが「地震ごっこ」と知ったのは、あとになってからですが、その子どもたちの姿が頭からはなれませんでした。
 
これも、あとから知ったのですが、「地震ごっこ」で、子どもは強烈なストレスを発散しているのだとか。ああ、あのときに、止めなくてよかったとつくづく思いました。
 
震災から5年くらい経った頃でしょうか。その学童保育の高学年の男の子に、思い切って「地震の時はどうしていたの?」と聞いてみました。こうした質問を子どもにするのは、なんとなく避けたほうがいいような気がしていました。でも、彼は人懐っこくて、向こうから近づいておしゃべりしてくれる子だったので、聞いてもいいかなと思ったのです。
 
でも、聞いたことを後悔しました。
 
「亀やった」と、男の子はたった一言だけ呟きました。
 
布団に潜って出られなかったということなのでしょう。よくしゃべる子だったのですが、震災については「亀やった」以外は、何も言いませんでした。身内に犠牲者はいませんでしたが、それでもショックが大きかったのだと思います。
 
大人はどうか。学童を運営している友人は、5年くらい経って問わず語りでいろいろなことを話してくれるようになりました。本人も「(地震のことは)凍結していたんやな、今頃になって解凍されて、ボロボロでてくるわ」と苦笑していました。
 
学童に通っていたある子の父親は腕のいいケーキ職人でしたが、震災を機にアルコールに溺れるようになってしまい、ケーキ屋さんをやめざるを得なくなりました。
 

震災がきっかけかどうかはわかりませんが、学童に甥を通わせていて、学童運営に欠かせなかった男性のYさんは自死しました。キャンプでも大活躍してくれる、とても面白い方だったので、大変なショックを受けました。震災から6年くらい経った頃だと思います。
 
余談ですが、私はYさんの甥っ子Mくんの夢を見ました。

 
Mくんには父親がおらず、Yさんが父親代わりになってMくんを可愛がっていました。夢の中でMくんは中学生になっていました。真っ白なテニスウエアを着て、テニスコートに立ち、私に白い封筒の手紙を差し出しているところで目が覚めました。夢があまりにも生々しくリアルだったので、胸騒ぎがしました。学童の友人に電話でMくんの様子を聞こうと思ったほどです。
 
あとから振り返ると、Yさんが自死したのはそのころでした。Mくんが私に知らせてくれようとしたのかもしれません。Mくんは第一発見者だったそうです。
 
これも余談ですが、不思議だったのは夢の中でMくんがテニスコートにいたこと。中学でテニス部に入ったことは、ずいぶんとあとになって聞かされました。ますます、あの夢はMくんからのメッセージだったのだという思いが強くなり、あのときに、なぜ友人に電話しなかったのかと後悔しました。友人は自死したYさんと無二の親友だったので、少しは慰めることができたかもしれません。
 
たくさんの犠牲が出る大きな震災は、多くの人に深い傷を残します。心が壊れてしまう人も少なくないと思います。震災直後は、みんな、不自然なくらいに明るく振る舞おうとするかもしれません。でも、非常事態に心がついていけていないのではないでしょうか。がっくりとくるのは、そのあとです。
 
「がんばれ」一辺倒では解決のしようのない問題がたくさんあります。
 
こんなことを書くつもりではなかったのですが、当時のことが蘇ってきて、書かされているという感じになってしまいました。
 
本当は、大震災が起こる前に、これだけはしておけ!

という情報をみつけたので、お伝えしたかったのです。とてもためになる記事です。うちも、「簡易トイレ」は用意しています。下駄箱に付近にすぐに持ち出せるもの、持ち出さなくてはならないものを置いておくようにします。

 

 
 

トビラコ店主

 

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