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2022.03.14

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

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「この子らに世の光を」ではなく「この子らを世の光に」。
 
中学校時代の社会科の先生が黒板に大きく書きました。
日本の社会福祉の祖と呼ばれる糸賀一雄(1914-1968)氏の言葉であると知ったのは、ずいぶんと後になってからです。
 
社会科の先生には、知的障害のある娘さんがいました。
「ぼくは、娘を映画でもどこでも連れて行く」とおっしゃっていて、その文脈で「世の光に」と力説されていたと思います。
 
同級生たちはどうとらえていたのでしょうか。当時の私は、「そうだといいよね」くらいの感想で、あまり深くは考えませんでした。
 
しかし、数十年経っても、あの時の教室の風景がありありと目に浮かぶのは、深く胸に刻まれた言葉だったのだと思います。
 
糸賀氏が「この子らを世の光に」と発言した当時は、重度の障害のある子は学校を猶予され、隔離収容される時代でした。
 
糸賀氏は、1946年に「近江学園」を創設し、知的障害児に教育の場と機会を与えました。1963年には重度心身障害者施設「びわこ学園」を創立。施設の役割を「隔離」ではなく社会との「橋渡し」であるとしました。
 
恩恵的に光を当ててやるという意味の「この子らに世の光を」ではなく、「自ら光り輝く存在」であるよう支えていく、という思いが込められていたそうです。(参照:ウィキペディア)
 

この子らを世の光に 近江学園二十年の願い』(糸賀一雄著 1965年 柏樹社)が出版されてから57年。
 
「世の光に」という考えは古びるどころか、もう一度見直されるべき言葉ではないでしょうか。
 
インクルーシブ教育も、合理的配慮も、その子が自ら輝けるようになるためのものです。人が先、制度はあと。このことを、私たちは再確認しなくてはならないと思いました。
 

最近、言語聴覚士の中川信子さんのオンラインセミナーにて触発されることが多く、先達の教えを再認識するのもセミナーの影響です。新しい手法にばかり目を奪われていると、目指しているところがどこなのかわからなくなると思いました。目先の新しさだけを追い求め、地図をもたずに行き当たりばったりで歩いているようにも感じられます。

 

 
 

トビラコ店主

 

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