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2022.11.29

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

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自閉スペクトラム症の子が体育の授業を苦手とする理由について、『科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界』(井手正和著 金子書房)を読むと、なるほどとうなずかざるを得ません。
 
以下、一部引用してみます。
 
私は視線がすごく怖いです。
見られていなくても見られているような気がします。
集団も苦手です。
人が集まっているのを見るととても緊張します。
 
その集団が走ったり、泳いだりなどして動きます。
ワァっと広がったり、縮んだりなどして
形を変えてゆく様子が
私には刺激が強いです。
 
今書いた3つの苦手な要素が体育にはぎっしりつまっています。
だから体育をするということは
とても怖いし不安です。
どうしても体育はできません。
 
(『科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界』(井手正和著 金子書房) 当事者の体験を実験データから読み解くより)
 
このように表現できる子ばかりではありません。でも、うまく伝えられないだけで、同じように感じている子は多いのでしょうね。
 
私自身、同じ自分と思えないくらいに感覚がすっかり変わってしまった経験があります。
 
30代のころ抗がん剤を投与されたのがきっかけです。抗がん剤はオーダーメードの配合が必要で、最初の投与で患者の様子をみます。最初の配合がまったく私には合いませんでした。5分と同じことができなくなってしまったのです。筆記用具をもって何かを書こうとしても、鉛筆をもったとたんにやめたくなってしまう。そして常に肩に何人もの小人がのっていて、その小人たちに操られているような、落ち着かない感覚でいました。
 
抗がん剤投与前は大好きだった赤が、見ただけで吐き気のする色となったしまったのです。赤いものはすべて処分しました。
 
配合を変えてもらってどうにか抗がん剤投与することができました。2年にわたり、入退院を繰り返して月に1回投与するうちに、すっかり感覚がかわり、先ほどの自閉スペクトラム症の子のように集団をみるのが怖くてたまらなくなったのです。
 
電車に乗り込んでくるたくさんの人をみると、いますぐ降りて逃げ出したい気持ちにもなりました。
 
男の人の大声も恐怖でした。電車の中、人が集まる居酒屋は、男の人の大きな声が突然聞こえてくるので近づくことができなくなってしまいました。
 
あれから30年、自分でも対処の仕方がわかるようになったのでずいぶんと生きやすくなりました。
 
でも、自閉スペクトラム症の人たちは、感覚のつらさに加えて理解してもらえないつらさもあると思います。特に知的障害を併発していたり、発語がないとうまく伝えられません。うまく伝えられる人が、本に書かれていたように伝えてくれるとありがたいですよね。
 
感覚を理解するのは難しいものです。でも理解してくれなくてもいいから、「そういう人もいる」ということだけはわかってほしい。決して「わがまま」なんかではないということなんです。

 
 

トビラコ店主

 

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