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東田直樹さんの発疹にはいつもハッとさせられます。
誰だって失敗したら同じ失敗をしたくないと思います。同じ失敗を繰り返すから失敗したことを理解していない、反省していないとは限りません。人それぞれ記憶に関する脳の仕組みが違うのでしょう。反省はしているけれど行動に生かせず、落ち込みながら懸命に生きている人たちもいます。
— 東田直樹 Naoki Higashida 【公式】 (@higashida_naoki) April 22, 2023
脳の仕組みというのは、本来は一人ひとり微妙に違っているけどほぼ共通しているのが多数派。共通項でくくれないのが少数派なのかもしれません。
脳の仕組みの少数派で、最も理解してもらえないのが「感覚過敏」ではないでしょうか。
「感覚は主観」ということを、脳の仕組みから解説できる専門家がすごく少ないのも一因かもしれませんね。
感覚過敏は自閉症とかなり被るところがあるので、そこからの解説が必要です。
自閉症の認知神経科学研究者である井手正和氏の著書『科学から理解する 自閉症のスペクトラム症の感覚世界』(金子書房)
を読むと、自閉症の人たちが感じている独特の世界を少しは理解できるようになるかもしれません。Amazonの試し読みのところをチラ見しただけでもわかります。
「感覚過敏」をテーマした番組をNHKが放映したそうです。
私は見ていないのでなんとも言えないのですが、感覚過敏を研究している専門家からは不評です。漏れ聞こえてくるのは、すごく表面的であったこと。脳の仕組みからの解説がなかったことのようです。
音の苦手さ、肌ざわりの苦手さなど、目に見えてわかりやすい事象だけを取り上げても結局表面的になってしまうんですよね。
ただ、もちろん良いところもあって、「聴覚過敏」「触覚過敏」「嗅覚過敏」等を知らない人に伝えるのはいいのかもしれません。知らないと、「慣れる」「我慢」というワードが出てきますからね。
でも、「苦手」とは別次元の脳の仕組みからの解説も必要だと思います。
私は、井手先生のセミナーを数年前に聞いて大変に感銘を受けました。多数派は自分の脳を誤魔化しているのだけれど、少数派はそれができないという話なども大変に納得のいくところでした。
感覚が脳の仕組みからきていることは、私自身経験していることです。
30代の頃、2年間抗がん剤治療(点滴)を受けていて、ものすごく感覚過敏になってしまったことがあります。特に音がダメで、人混みの騒音は恐怖となり夢に出てくるほどでした。その時に思ったのは、この騒音に耐えるためには自分が鈍感にならなければいけないということです。
抗がん剤の話を少しすると、抗がん剤の配合の加減が合うかどうかを最初の治療で決めます。私の場合は、最初の配合が合わずに、極端な「飽きっぽさ」に陥りました。
例えば、物を書こうとして紙と鉛筆を出すと、その時点でもう書くことをやめてくなってしまうのです。その後、抗がん剤の配合を変えてもらい、ようやく「飽きっぽさ」がなくなりました。
しかし、治療が終わってみると、音への過敏や恐怖が残りました。これは10年以上続きましたが、ここにきてようやく和らぎました。でも、今でも人混みは苦手です。特に疲れている時には音に過敏になります。
これらの症状はすべて脳の仕組みに由来することだと思います。
なので、感覚過敏は単に「苦手」という話だけに終わらせずに、脳の神経の話をしないことには、「そういう子もいるよね」的な、なんとなく世間話的に終わってしまうので残念です。
感覚過敏については、もうその段階ではなく、井手先生のような専門家が解説する段階にきているはずです。
トビラコ店主
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