~店先で、ちょこっとおしゃべり~
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時間の長さの感覚を教えるのはとても難しいことです。
1時間、30分、10分、それぞれの長さを私たちはなんとなく感覚でわかっています。だから出かける準備も家を出る時刻から遡って、支度にかかる時間を考えながら行動することができるのです。
ところが、時間の長さの感覚がわからないと、とてつもなく早くに家を出たり、逆にギリギリになっても支度が終わらずにいつも遅刻する羽目になったりしてしまいます。
時間の長さの感覚を身につける方法なんてないと思っていました。ところが、あったのです。
『障害者支援員 もやもや日記』(松本孝夫著 三五館)に、書かれていて目からウロコでした。本書は、福祉の、それも障害には全く無縁だった著者がグループホームの支援員として働く話です。
グループホームの利用者で知的障害のあるチエミさんは、いつも会社を遅刻していました。あまりにも遅刻が多いため会社から退職を命じられる始末。チエミさんは大幅な遅刻というわけではありません。いつも出かける段になると、襟巻きを何度もまき直したり、せっかくはいた靴を別の靴に変えたりします。それさえしなければ遅刻しないのに、という状態です。そこで著者の松本氏は、研修で聞いた精神科医の話を思い出します。
・記憶力は脳の働きによって、長期・中期・短期の3種類に分かれる。
・長期は何年にもわたって覚えているもので、人の顔などがそれ。
・短期は、5桁以上の乱数などで、聞いても30秒くらいで忘れる。
この話から、著者は一計を案じます。
以下、引用。
つまり、チエミさんは1時間、2時間という大きな時間の感覚は私たちと同じである。しかし、10秒、1分という小さな時間の流れは、私たちと違うのではないだろうか。この仮説を前提にしてあることを試してみたくなった。
(中略)
117の時報を聞きながらバス停までチエミさんと一緒に歩くことだった。
「ピ、ピ、ポーン・・・・午前8時10分50秒をお知らせします・・・・ピ、ピ、ポーン・・・・」
10秒刻みで知らせてくれる117のお姉さんの声を私の携帯電話でチエミさんと一緒に聞きながらバス停をめざす。こうすることで、小さな時間感覚を体感として知ってもらおうと思ったのだ。
「ハイ、到着です、何秒かかったかな?」
「2分20秒だよ」
2週間これを続けたら、チエミさんがすんなりとバス停にたどり着けるようになった。
(引用終わり)
その後、チエミさんは無遅刻となり、会社を勤め続けられることになりました。
「障害者の心の働きを想像してあれこれ試してみること。うまくいかなかったらまた違う方法を試してみること」
研修で聞いたことをそのまま実践し、チエミさんの変化に跳び上がるほど喜びます。
著者は、プロの支援員というわけではないのですが、支援の本質を見るように思います。
トビラコ店主
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