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今では考えられないことですが、車椅子の人がバスに乗れなかった時代がありました。乗れなかったというより、乗せてもらえなかったのです。バスに乗せてほしいと懇願する車椅子の人を運転手が拒絶したドキュメンタリー番組を見たことがあります。
車椅子に乗っていても外に出て、電車やバスに乗りたいと思うのは当然なのですが、それを理解してもらえなかった時代であったともいえます。
社会の無理解が障害になって生きづらくなっているために「障害者(児)」にならざるを得ない。今の時代は「発達障害」も、そこに入るのではないでしょうか。パニックを起こすのは単なるわがままではありません。漢字が書けないのは怠けているわけではありません。
でも、ここにきて、その特性の解明が進むにつれ理解される環境が作られつつあるように思います。決して宣伝するつもりはないのですが、『使ってみたら「できる」が増えた 発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)が在庫切れになって1ヶ月近く経ちますが、amazonでの本の総合ランキングの順位がそれほど落ちていません。順位だけで判断するのはあまり品のいいことではないのですが、関心の指標としては参考になります。他の発達障害のツールを扱う本も売れているようです。
通常、この手の本の順位は万の位が一般的で、千の位なら売れている方です。『〜発達障害の子のためのすごい道具』は、ずっと百の位を維持しています。現在、入荷日が4月14日の予定ですぐには手に入らないにもかかわらず順位が落ちることはありません。
たびたび、ここに登場する放課後デイ「ソラアル」を運営する河高康子さん親子(お子さんは当事者)がNHKスペシャルに取材され、5月21日に放映されます。テーマは感覚過敏だそうです。影響力の大きい番組に取り上げられたことでまたひとつ理解が進むのではないでしょうか。
そういえば、不登校が病気だと言われていた時代もありました。ある時期から「不登校は誰にでも起こりうる」と文科省が認め、救われた子は少なくないでしょう。と、いってもまだまだ不登校は少数派なので肩身の狭い思いをすることが多いのですが。。。。
少数派も尊重されるのが本当に豊かな社会ですよね。
追伸:念のため、グーグルで検索したら、今でも車椅子でのバス乗車が拒否される地域(あるいは、バス会社)があるらしいです。ただ、直接問い合わせたわけではないので真偽のほどはわかりませんが。
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『使ってみたら「できる」が増えた 発達障害の子のためのすごい道具』(小学館/筑波大学附属大塚特別支援学校主幹教諭安部博志著/トビラコ編集)重版決定!