トビラコへようこそ!
障害のある子(人)に理解のある歯医者さんとして東京都立心身障害者口腔センター(東京・板橋)をご紹介しました。もうひとつ、ご紹介したい病院があります。
これも東京になってしまうのですが、三楽病院(東京・御茶ノ水)です。トビラコ店主の妹(ダウン症で知的障害)が16年前に脊椎間狭窄圧迫症(すべり症ともいわれます)の手術を受けて大成功しました。
三楽病院は、特に障害のある人のためといことを標榜しているわけではありません。ダウン症の人の手術をしたこともありませんでした。今考えると英断だったのだと思います。職員全員にダウン症の人間が入院することを周知させたそうです。
じつは、最初、妹は他の病院で診てもらったのですが、「一生治らない」と突き放されました。「このまま放っておくと歩けなくなる」と言われたからこそ、大きな有名病院に連れていったのに、患者の顔をろくに見もせずにけんもほろろの対応。その非人間的な扱いに、帰り道、母は妹の手を引きながら涙がこぼれたといいます。
その後、ある人を介して三楽病院に行ったところ「私が治しましょう」と心強い言葉をもらいました。地獄に仏とはこのことです。
手術というのは100%と断言できるものではありません。でも「治しましょう」という言葉に「私が治してみせる」と強い意志を感じました。仮にうまくいかなかったとしても、私たちはその先生を責めたりはしなかったでしょう。
すべり症であることがわかったのは、妹が数歩歩くと立ち止まって、腰をかがめてしばらくじっとして動かなくなり、また数歩歩くと立ち止まるということを繰り返していたからです。自分で症状を伝えることができないのですが、おそらくかなり痛みがあったのでしょう。
今は、そんなことがあったのはウソのように、普通に歩いたり走ったりしています。
三楽病院のホームページを見たところ、理念として三楽の由来が次のように書かれていました。
「三楽病院という名称は孟子の尽心篇にある「君子に三楽あり」に由来しています。
第一は父母兄弟に事故がないこと、
第二は自らを省みて天地に恥じることがないこと、
第三は天下の英才を集めて若い人を教育することで、
いずれも人生の真の楽しみは世俗的な栄誉ではないことを謳ったものです。」
志の高い病院であることがこれだけでわかります。
ついでに他のページものぞいたら、脊椎脊髄センターという専門分野に特化した部門が設けられたことを知りました。当時妹を手術してくれた先生がセンター長に就任し、「人間性のある温かい医療」を目指していると挨拶文を寄せていらっしゃいました。相変わらず、あの先生らしいなと懐かしくも心温まる思いがしたのでした。
トビラコ店主より
ーーーーーーーーーー
人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。
http://ameblo.jp/amami-blog/entry-12282332914.html?frm_src=favoritemail
ーーーーーーーーーー
✴︎
『使ってみたら「できる」が増えた 発達障害の子のためのすごい道具』(小学館/筑波大学附属大塚特別支援学校主幹教諭安部博志著/トビラコ編集)4刷決定!(まもなく5刷か)