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2017.07.14

トビラコへようこそ!
 

就学相談を受けた方がいいですよ、と園の先生は親になかなか切り出すことはできません。とてもデリケートな問題で、保護者と先生との間がギクシャクすることがあるからです。だから、特別支援教育のコーディネーターが巡回して、先生と保護者の間に立って両者から相談を受けたりするわけです(地域によっても違いますが)。

 

遠い昔のことですが、トビラコ店主の弟も入学時は通常級だったものの、途中から担任に特別支援級(当時は特殊学級)に行くように言われました。母親は泣きながら憤慨していました。担任に追い出されたような気がして長い間、恨んでいたと思います。
今ほど特別支援教育が整備されていなかったし、発達障害という言葉すらなかった時代です。
 
当時は、通常級で教えるのが難しい子がひとつの教室に寄せ集められていました。
知的能力の高い筋ジストロフィーの子、今でいうアスペルガーの子、ディスレクシアの子、スズメのぬいぐるみを握って教室の中を走り回っている子、ありとあらゆる特性を持った子の小集団だったのです。その中で、軽度の知的障害のある発達障害の弟はみんなの面倒みる役を仰せつかっていたようです。

 
でも、結論からいうと、当時の担任の選択はそれほど間違ってはいなかったように思います。通常級にいれば、弟はかなりつらかっただろうし、おそらくいじめにもあっていただろうと思います。ただもっと弟の特性にあった支援教育があればよかったと強く思います。

 
今は特別支援教育が、随分と整備されてきました。文科省も力をいれています。
 
インクルーシブ教育のインクルーシブとは、エクスクルーシブ(排他的)の反対で、誰も排除しないという意味で、それが教育に適用されるのはとても素晴らしいことだと思います。でも、それは誰もが(排除されることなく)通常級に入って教育を受けることとは意味が違うように思うのです。
 
どの子も排除されることなく、自分にあった教育を受けられるのがインクルーシブではないでしょうか。
 
弟の時代の特殊学級はインクルーシブではありません。ひとりひとりの特性にあった教育など考えられない時代で、そもそもインクルーシブなどという言葉もありませんでした。筋ジストロフィーの子は、最後まで自分にあった教育を受けられずに二十歳を迎え亡くなりました。
 
通常級に入れるかどうかよりも、子どもにあった教育をそこで受けられるかどうかを基準に、できれば将来にわたっての見通しを立て、そこから遡って考えられるといいかなと思います。
 
弟の話でいえば、今は母は担任を恨んだりはしていません。それよりも、振り返って、いろんな経験をさせておけばよかった、いろんな人との出会いの場を作ってあげればよかったと思っているようです。
当時は、特殊学級に行っている子に学習はそれほど必要ではないという風潮でした。母は家単語帳を使って家で計算を教えていたのですが、家庭訪問にきた先生に咎められました。でも、そのおかげで弟は計算は得意です。それだけはやっていてよかったと半ば自慢します。
 
もし、ちょっと気になるなと思ったら、園の先生に相談するといいと思います。園の先生も「では、就学相談を受けてみたらどうですか」と言いやすくなります。
 
仮になんからの障害があったとして、それを受け入れるのは難しいかもしれません。でも子どもにとって何がベストなのか、将来の見通しとともに考えられるのはやはり親であり、いろんな子をみてきた経験豊かな先生だと思うのです。

 

トビラコ店主より

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人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。

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