トビラコへようこそ!
「水が入ったコップをお盆にのせてベランダまで運ばせるんです」
そのお母さんの話を聞いたのはもう10年以上も前のことです。
発達障害のお嬢さんに、お母さんはご自分が思いつく「これをするといいんじゃないか」ということをなんでもしてあげていました。当時は、まだそれほど発達障害についての情報がなく、どのお母さんも手探りの状態だったと思います。
そのお嬢さんの診断名をはっきりとは聞いていなかったのですが、極端に不器用だったのは目と手の協調運動ができていなかったからでしょうか。傘を開くことができなかったので、ヒモと引くと傘が開くような工夫をお母さんはしていました。制服のリボンをうまく結びなかったので、あらかじめ結んだ状態にしておいてから首を通して調整していたと聞きました。学習障害もあったように思います。
なぜ、このことを思い出したかというと、あるペアレントトレーナーが「(多動な子には)注意力の持続を鍛えるために、お盆にお茶碗をのせて運ばせましょう」と書いているのを目にしたからです。そういえばと10年以上も前にお会いしたお母さんの話が蘇ってきたのでした。ペアレントトレーナーなどという言葉すらなかった時代の話です。
お嬢さんは朝が苦手だったのですが、生活リズムを整えて早寝早起きの習慣を身につけました。一定の生活リズムを身につけることの大切さは、本田秀夫先生(信州大学医学部附属病院子どものこころ診療室部長)がおっしゃっていたことです。
お母さんの直感で、これは子どもにいいんじゃないかということは当たるような気がします。やっぱりお母さんは「わが子の専門家」です。だから、自分のしていることにもっと自信を持っていいと思うのです。お医者さんが発表した論が、実は間違っていたとあとからわかることだってありますからね。
(追記:お盆にコップやお茶碗をのせて運ばせるときは、ひっくり返すのが心配なら、ぬれ布巾を敷くといいようです。)
トビラコ店主より
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人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。
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