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2017.08.14

トビラコへようこそ!
 

恥ずかしながら、「通級教室(通級)」の目的を長らく誤解していました。
このサイトに来る方は「通級」はご存知だと思いますが、通常学級に在籍しながら、ある時間だけ別の教室で学ぶのが通級です。教室が同じ学校内に設置されている場合もあれば、設置されていない場合もあります。設置されていない場合は設置されている学校に通います。
 
トビラコ店主が、最初に取材させていただいた「通級教室」は、算数が専門で算数を教えるのが上手な先生が担当してしました。その教室で教えてもらうと、どの子も算数ができるようになってクラスに戻ってくると評判になりました。クラスでトップの成績をとる子も出るようになると、特に必要のない(障害のない)子までがその先生に教えてもらいたくて通級教室を希望するようになったとか。実際には通えなかったと思いますが。
 
このような事例を最初に見てしまって、さらにその先生の指導力も素晴らしかったので、あの教室は算数が苦手な子の補強のための教室なんだなと思ってしまったのです。でもよく考えるとこの論はおかしいですよね。算数を教えるのは小学校なら担任の先生のはずです。単に算数が苦手というだけなら、担任の先生の力量不足ということになります。算数の苦手な子を取り出して通級で教えてもらうようにしたら、担任が指導を(言葉はキツイですが)放棄したことになってしまいます。
 
ここに気づきませんでした。
 
障害の特性に応じた学習の仕方を学ぶ
 
算数が苦手だから通うのではなくて、その子の障害の特性に合わせた算数の「学び方」を学習するのが通級。トビラコ店主が見たのがたまたま「算数」であっただけで、「国語」だっていいわけです。国語なら、例えば漢字が苦手というのであれば、苦手なのはなぜなのか、どの特性からきているものなのか、というところから指導の方法が決まっていくわけです。

漢字が苦手な場合、読み書きに困難を抱えるディスレクシアの場合もあれば、眼球の動きに問題があって漢字の形を認識できない場合もあります。厳密にはディレスクシアもきっと眼球の動きの問題が含まれる場合もあるんでしょうね。たた、ここでは、そこは省きます。というかトビラコ店主もわかりやすく説明できるほど知っているわけではないので。ともかく、大事なのは苦手科目の成績を上げることではなくて、障害の特性に応じた学習法を身につけるのが通級教室だということです。
 
障害名よりも困り感に合わせる
 
で、今後、文科省の方針は、障害の特性というよりは、その子の「困り感」にフォーカスしていくようですよ。「読み書きや計算等の困難さ」とか「人間形成の困難さ」とか「道具操作の困難さ」とか「注意の集中を持続することが苦手」とか、とか。

要は障害の診断名よりも、学習する上で困っていること、生活する上で困っていることは何かということが問題になってくるようです。こっちの方がわかりやすいですよね。障害名が同じでも困り感が違う場合もありますからね。
 
踏み台が不要な子と必要な子がいる
 
みんなが同じ条件で一斉に授業を受けるという時代が終わりつつあるのを感じます。
ある先生が、これについてとてもわかりやすく話してくださいました。

フェンス越しに野球観戦をするのに、背の高い子に踏み台は不要ですが、背の低い子は踏み台がないと観戦することができません。さらに細かくいうと、踏み台の数が1個で観戦できる子もいれば、2個ないと無理な子もいます。

この踏み台に当たるのが、いわゆる「合理的配慮」です。野球観戦が「教育目標」です。教育目標は同じです。そこに到達するためには、子どもによっては踏み台に当たる合理的配慮が必要ということです。合理的配慮の話はまた別の機会にしますが、要は一人一人の子どもの困り感に合わせたきめ細か教育へと時代が向かいつつあることは確かです。

トビラコ店主は、たまたま専門誌を見たり、詳しい人に聞いて知った次第ですが、注意していると特別支援教育関連で、この手の情報が一般紙でも徐々に流れてくると思いますよ。

通級に関しては、リタリコさんで詳しく説明していますので、こちらもどうぞ。

https://h-navi.jp/column/article/35026326

 

トビラコ店主より

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人気ブロガーのアマミモヨリさんが「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」をブログに書いてくれました。おもしろくて、ためになる使い方です。

http://ameblo.jp/amami-blog/entry-12282332914.html?frm_src=favoritemail

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トビラコが編集した本

発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)

発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)

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