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非常時に子どもの思わぬ姿を発見することがあります。
23年前に起きた阪神淡路大震災で被災した友人の話です。彼は神戸市東灘区で学童保育の指導員をしていたのですが、学童の建物は全壊。早朝の地震だったために犠牲者を出さずにすみましたが、その後が大変でした。
建物が再建されるまでは、仮の学童として河原にテントを張ったり、指導員の家を使ったりしていました。大変ではありましたが、そこで友人はいくつかの発見もしました。
発見1 子どもは常に前を向いている
建物が全壊したため、河原にテントを張って、なんとか学童を続けようとするものの、明日をも知れぬ心境で打ちひしがれている大人たちに、子どもたちはこう言いました。
「今年のキャンプ、いつするねん?」
この学童保育のキャンプは、夏の1週間にわたって行われて、プログラムはかなりダイナミック。薪を割ってご飯を炊いたり、鶏を解体して食べたり、川で手づかみで魚をとって調理したり、橋から川に飛び込んで肝試しをしたり。。。子どもたちにとっては1年のうちでもっともエキサイトするイベントです。
指導員である友人は、「この子ら、こんな状況でキャンプするつもりでおるんか。ここにいつまでおられるかもわからん、学童がこの先続けられるかどうかもわからんのに」
と呆れたそうです。
でも、思い直しました。こんなに楽しみにしているなら、やはりキャンプをやめるわけにはいかない、と。そして「少しは前を向かんかい(向いてくれよ)」と子どもたちに言われているようにも感じたといいます。
その後、保護者たちの力を借りながら、一軒家だった建物を直して、無事、学童を続けることができるようになりました。もちろんキャンプも行いました。これまでで一番盛り上がったキャンプだったそうです。
発見2 子どもは、非常時にこそ誰かの役に立ちたいと思っている
当時は、震災で家を失った人たちが近所の小学校で避難生活をしていました。寒空の下、ドラム缶に火をくべて、大きな鍋に湯を沸かしていました。暖をとる人たち、赤ちゃんのミルクを作りたいお母さんたちが集まっています。
火をくべるための木材はあっという間になくなります。そこで、学童の子どもたちがリヤカーを借りて、焼けた家の木材を集めて回りました。
「〇〇小学校の焚き火に使う木材を譲ってください」と子どもたちに言われて断る人はいません。
リヤカーに木材を山と積んで、小学校まで運び、また集めて回る。1日に何往復もしました。
高学年がリヤカーを引き、低学年たちが後ろからリヤカーを押すその姿を見て、友人は目の前が涙でかすんだと言います。
子どもたちは守ってもらうだけの存在やない、ともに生きていく仲間なんや、とその時感じたそうです。
当時の子どもたちはもう大人。指導員をしていた友人とは「震友」だといいます。大学入学祝いをしたり、結婚式に呼ばれたりしています。
彼はみんなに「おっちゃん」と呼ばれていました。もともと「指導員」と呼ばれることをよしとしない人でした。子どもに対して「指導」ではなく、ともに生きる仲間というとらえかただったので、震災時もその延長だったともいえますね。
トビラコ店主より
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