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散歩に目的はあまりありません。
あるとしたら、健康のため、リラックスするため、気分転換などなど、どれも目に見えません。
同じ歩くのでも、病院、買い物、学校などは目的がはっきりしています。
「◯◯さんは、買い物や病院、畑には喜んで行くのに、みんなと散歩に行きたがらない」と、ある障害者施設の職員の方がおっしゃっていました。
行きたがらないという人は、いろいろな障害を複合的にもっていますが、自閉症の傾向もかなり強くもった女性です。とても几帳面で、予定されたことを予定通りに行う分には安定しているのですが、予定の変更が苦手。予定通りにいかないとパニックを起こすこともあります。
その施設の散歩は複数で行うため、参加している人の体調や様子に合わせて、早くに切り上げることもあるようです。道順の変更もしばしば。職員の方は参加者に合わせて柔軟に対応しています。
散歩に行きたがらない女性は、この「柔軟さ」が苦手なのではないかと思いました。
買い物や病院、畑などは、道順も決まっていますし、そこですることも決まっています。だから、次の展開が予測できます。でも皆と行く散歩は予測がつきません。そもそも散歩の目的もよくわからない。となると、その女性が行きたがらないのもわかります。
そこで、思い出したのは、沖縄の平岡さん（先を照らしてくれる人の話「発達障害の家族と上手につきあう〜平岡貞之」）のお子さん。「犬の散歩」という言葉では通じなてく、犬の散歩の絵を描いたらすぐに行動に移したそうです。
「散歩」という言葉は抽象的。相手によっては目的地をはっきりと伝えたり、何をするのか（たとえば、犬と歩く）をはっきりと伝えた方がいい場合もありますね。絵を使うのも人によっては効果的。目的地を伝えてもいいでしょう。結果としてそれが散歩になればそれでよし、ということで。
トビラコ店主より
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