トビラコへようこそ！
ものすごく不安なときは、あれこれ考えずに、ひとつのことに集中すると不安解消につながるそうです。
難しいことではなくて単純なひとつのこと。夕飯のメニューを何にしようか、子供にどんな服を着せようか、など。
これは、児童精神科医の佐々木正美さん（2017年没）の言葉です。
東日本大震災の時に、佐々木正美さんが朝日新聞の投稿欄に「自閉症・発達障害の人を案じる」（2011.3.25）と投稿して話題になりました。
2011年、日本中が震災一色になり避難所で過ごさざるを得なかった自閉症、発達障害の子（人）やその家族を、真っ先に案じて投稿した佐々木さん。どれだけの人が救われたことでしょうか。
当時、トビラコ店主が働いていた編集部の副編集長がこの投稿に目をとめて、佐々木さんに直接話を会いにゆき、記事にしたのでした。
その記事に、不安な時にすることとして、ひとつの単純なことに集中する話が書かれていました。未来に漠然とした不安や恐怖を抱くよりも、目の前のいまできる小さなことに集中しましょう、という話です。
投稿欄に書かれていたのは、避難所で留意することです。
要約すると、
１）「〜していけない」ではなく「こうしたらいいよ」と肯定的に伝える。
２）言葉はできるだけ短く。一度に一つのことを具体的に伝える。
３）言葉よりも絵や文字の方が意味を伝えやすい。
４）（広い避難所で）混乱が大きいときは、部屋から隔離するのではなく、ついたてで仕切る。
震災の10日後、３月22日付朝日新聞のある記事を読んで、佐々木さんは投稿を思いたちます。その記事には自閉症の子の親が周囲に迷惑をかけることを気にかけて、つい叱ってしまうということが書かれていました。
佐々木さんの投稿が、3月25日付で掲載されていますから、本当にすぐに投稿されたことがわかります。
関西でこれ以上の被害が出ないことを願うばかりですが、佐々木正美さんのことを、どうしてもお伝えしたくここに記した次第です。
トビラコ店主より
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