tobiraco（トビラコ）

2018.07.19

トビラコへようこそ！

「努力」「平等」という言葉に何人の子がつぶされてきたことでしょう。
それでも社会はまだ気づかない。

という、ちょっとハードなメールをいただきました。
お子さんが発達障害で自閉症スペクトラム、学習障害、感覚過敏などの特性が重複しているという発達障害の中ではわりとあるケース。でも発達障害と無関係に生活している人からは理解を得るのが難しい、という苦しい時代を過ごしてきた方です。

「努力」と「平等」は学校はもちろん、日本の社会でも金科玉条のごとく語られてきました。

努力ではどうにもならないこともあるし、平等に扱われることでつらい思いをする子（人）たちがいることに気づいていたのは少数。

でも、その少数の人たちが理解を得るためにしてきたこと、ときには学校や先生相手に闘ってきたことが、今ようやく少しずつ実を結びつつあります。

まったく十分でないにせよ支援を受けてきた人たちが、ここにきてご自分の学校時代のことを自身の口から語り始めたことも大きいですよね。

その人たちから聞くと、ちょっと驚くようなことを先生に言われていたことがわかります。

「社会に出たときに困る」「社会に出たときに通用しない」

これを繰り返し言われてきたようです。先生の考えている「社会」ってどんな社会なんだろうね、とトビラコ店主は返しました。

すると、字が上手に書けないと、書道家の道はあきらめなくてはならないと言われたそうです。できないことがあると職業選択の幅が狭くなるという例なんでしょうが、、、

思わず、はあ？　となってしまいました。

10年前に、今の社会を予測できた人は少なかったでしょう。たとえば、小学生がプログラミング教育を受けるようになるなんて考えつかなかったし、電車に乗りながらスマホで買い物したりなんていうのも予測できなかったし。

10年後、いや５年後の社会だって予測できません。
「努力」、「平等」の使われ方も、全く違ったものになっていると思うのです。
むしろ、学校の先生の方が時代についていけなくなる可能性は高いですよね。

だって学校ほど融通のきかない社会はないですよ。酷暑であっても、時間割で決まっているからと校外学習をさせ、あげく熱中症で小学１年生の男の子が死亡しました。そういう悲劇が起きたことを知りながら、ほかの学校では炎天下にリレーやら水泳やらをさせています。

社会の方がよほど自由です。融通がききます。このことは、子供に伝えてほしいなと思います。「社会で通用しない」なんて脅すよりも、社会は学校よりも自由だよ、ということを。