tobiraco（トビラコ）

2018.07.30

トビラコへようこそ！

『月刊　発達教育』（公益社団法人　発達協会）という雑誌があります。雑誌というよりも小冊子に近いサイズとボリューム（50ページ弱）感です。

サイズは小さいくても、中身はとても濃くて、専門的な領域であってもわかりやすく書かれています。発達障害の子の教育や子育てに関わるすべての人におすすめです。教員や療育にかかわる人だけではなく、もちろん親も。

この手の雑誌は、たいてい専門家だけを相手にしていて、専門家ではない（トビラコ店主のような）人間が読むと、難しくて途中で投げ出したくなります。

でも、『発達教育』は専門家が執筆しながらも、誰が読んでもわかりやすく編集されています。優秀な編集者がいるんでしょうね。

たとえば、今出ている号に「自立を支える」という連載があります。
今回は、作業療法士の方が、忘れ物防止について、具体的にアドバイスしているんですが、なるほど！マークがいっぱいつきます。

持ち物リストを作って、カバンに入れるときにチェックするというのは、よくあります。でもね、それでも忘れるんですよ。で、その原因がこの作業療法士さんのアドバイス読んでわかりました。

リストに書かれてものが動作にあっているかどうか、そこが問題。単にカバンに入れるものリストを作っても動作と一致していないと、どうしても入れ忘れが出ます。つまりカバンに入れる順に、リストが作成されているかどうかです。

くつ、きがえ、しゅくだいちょう。。。。というように、入れる順に書かれていると、上から目で追っていき、次々に重ねるようにしてカバンに入れていけばいいわけです。で、リストは文字だけではダメで、そのものものの写真があるといいそうです。あ、これは、以前、あるお母さんも同じことしていたなと思い出しました。

ここまでしても、忘れてしまう子いて、そのお母さんが、入れ方を観察したそうです。

すると、その子は目についたものからカバンに入れていることに気づきました。そこで、作業療法士さんは、リストに入れたものには大きな丸いシールを貼って写真を見えなくするようにアドバイス。こうすると、入れたものはシールで隠れているので、入れていないものが一目でわかります。なるほど、これなら忘れませんよね。

他にもいろいろと、なるほどなアドバイスが具体的に書かれています。

日々の困りごとから、親なきあとの将来のこと、仕事のことなど、どれもが知りたい情報だと思います。こういう視点の雑誌を読みたいという人が多いんじゃないでしょうか。

専門家も親も同じように子供をサポートする立場だから情報はできるだけ共有しましょう、というのが『発達教育』の考えではないかと思います。とても風通しの良さを感じます。

トビラコ店主が敬愛する中川信子先生の連載も、この雑誌で読めます。この連載もまたいいんですよ。

価格は１冊400円とお手頃。ただし年間購読だそうです。