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「困ったらSOSを出しなさい」とよくいわれます。
でも、SOSの出し方がわからなくて「困っている」場合もあります。
困ったので、人に頼んだら「自分のことは自分でやりなさい」「自分でなんとかしなさい」といわれたら、その子はもう「SOS」を出すことはしなくなるでしょう。人に頼ってもムダということを「学習」してしまいます。
これはある人の本で教えていただいたことです。
その方は、広汎性発達障害の女性と結婚し、日常生活をともにすると驚きの連続でした。
例えば、結婚したばかりの頃、部屋の中をウロウロしているので、理由を聞くと「ティッシュがどこにあるかわからない」と答えたそうです。その男性の部屋に引っ越してくる形での結婚だったので、夫に聞けばすむことです。
そこで、夫である彼は「ティッシュどこにあるの？と聞けばいいんだよ」と教えます。
頼むと「自分のことは自分でやりなさい」と怒られてきたその女性は、人にどう頼んでいいかがわからなかったそうです。
頼られて「自分でやりなさい」は論外として、困ったらSOSを出しなさい、人に頼りなさい、とだけ教えるのではなく、その方法を生活の場面で具体的に伝えられるようにしておく必要があるんですね。
困っていそうなら、何に困っているのか、どうしてほしいのかを聞く。そうしていくうちに、だんだんと人に頼めるようになるんじゃないでしょうか。
社会に出たらそんなに甘くないといわれるかもしれません。でもそうでもないですよ。困っていそうな人に「何か、困っている？」と聞いてくれる人はいます。
その時に、「私はお腹が痛いんです」とか「お医者さんに行きたいけど、どこにあるのわからない」と具体的に伝えられるようにしておくほうが、社会に出た時に困らないのではないでしょうか。困っても「自分のことは自分でなんとかする」ということを、たたきこまれてしまう方が困ったことになります。
このことは、『ボクの彼女は発達障害２』（学研教育出版）という本で教えていただきました。著者のくらげさんとは近いうちにお会いする予定です。
トビラコ店主より
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