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子どもはお化けの話が大好き、とは限りません。
お化けが怖くて、お化けの絵本をベランダから投げ捨ててしまった幼稚園生がいます。その子はとても怖がりで、幼稚園のお弁当の時間に向かいに座った女の子のコップが怖くて一緒にお弁当を食べることができませんでした。
コップに描かれているウサギの赤い目が怖かったのです。
そこで幼稚園の先生のとった行動がお手本のように素晴らしかったので、ここに書きます。
「タロウくん、ここで先生とお弁当を一緒に食べようね」
するとタロウ、「怖いもん・・・」
「ん？・・・何が怖いの？」と先生
「赤い目・・・ウサギの・・・・」
（中略）
「じゃあ、反対向いてもらうように一緒に言ってみようか、”ウサギさん、あっち向いて！お願い”」
「あっち向いて！お願い」とタロウ。
（中略）
「タロウ君、なんでコップ怖いの？」とリエちゃん。
すると先生はこう言った。
「リエちゃんにも怖いものあるでしょ、たとえばお化けとか・・・。きっと、それと同じなのよ、そうだよね、タロウ君・・・」
タロウは、コクリと頷いた。その顔は、何処となくホッとしたような安堵の表情を浮かべていた。（『特別支援教育 発達に遅れや偏りがある子どもの本当の気持ち』安部博志著 学事出版より）
この一連の先生のやりとりを著者は、特別支援教育の真髄と語ります。
専門的な話になりますが、続けます。
一連のやりとりを見ながら、これぞ特別支援教育の真髄ではなかろうかと思った。つまり、
・子供に問いかける
・自分の気持ちを子ども自身に表現させる。
・子どもの気持ちを受け入れて共感してあげる。
・子どもの気持ちに寄り添った解決策を本人と一緒に考える。
・うまく表現できるようにモデルを示したりリハーサルしたりする。
・子ども同士の関係性につなげる（先生がすべて交通整理せずに、タロウ君がリエちゃんに直接要求するように導いたこと）
・子どもの気持ちを代弁したり翻訳したりしてあげる。
・一連の行動の意味づけをして幕を引く。
（引用終わり）
こうしたことは、特別支援教育の専門家でなくても、できる大人っていますよね。
人は違ってあたりまえだし、怖いものが人によって違うものあたりまえ、ということがわかっている人。子ども同士をうまくつなげることができる人。
小さいお子さんの親御さんに参考になるかもしれないと、ここに記しました。
ウサギの赤い目が怖いというのは、言われてみるとわかる気がしますね。あと、パンダやコアラの笑っていない目とか。でも、全然怖くなくて、可愛いという人が大半です。怖いもの、可愛いものの感じ方は人によって違いますよね。
トビラコ店主より
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