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見通しが立たないと不安になるという時の「見通し」は、１週間とか、1日とかいう時間だけではありません。
「場面の見通し」というのもあると思うのです。次に起こること、次にされること、次に出くわすこと。この「次」というのも、また「見通し」です。
たとえば、お医者さんの診察台に座って何をされるのかわからないと誰でも不安になります。だから、看護婦さんは必ず相手に次に何をするのか、それがどのようなものなのかを伝えます。
注射であれば、いきなりブスッと針を刺されたら驚きます。だから、腕に消毒綿をあてる前に「ひやっとしますよ」といってから、消毒します。
注射するときも「チクッとしますよ」といってから針が刺さるようにします。
これも場面の見通しといえるのではないでしょうか。
これが、発達障害含み、障害児（者）の歯医者さん（口腔センター）となると、さらにきっちりと相手に次の場面を提示します。
診察台（大抵はベッド）の患者の目の前に、これから使う歯科治療の器具を掲げるようにして見せて、相手がきっちり見てから治療に取りかかります。別の器具を使うときも同じようにします。器具を見せながら「これでチクチクします」。「これで水を流します」と伝え、患者がこれからされることの見通しを立てられるようにするわけです。
実際、そこで治療されている人たちの中には、必ず次に使われる歯科治療の器具を見ないと気がすまないという人もいます。
絵カードで「次の場面」を見せてもらわないと心配という子もいます。障害者（児）専用の口腔センターには必ず絵カードが用意されているのも、「次にされること」を視覚化して「場面の見通し」を立てられるようにしているわけです。
「場面の見通し」を立てることは、その子の不安を取り除くのにとても有効だと思います。
いつも通る道で工事をしていたら、あらかじめ「あの橋の向こうで工事しているよ。かなり大きな音がするよ」ということを、伝えておくのも「場面の見通し」といえますよね。
トビラコ店主より
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