トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
「いい姿勢」「正しい姿勢」は、ほんとうは不自然な姿勢なんです。
背中をピンと伸ばして、横から見ると90度の角度で椅子に座る、あの姿勢の話です。
「人が座る」ことを、30年にわたって考えてきた村上潤さん(株式会社アシスト代表取締役)と大ベチランの作業療法士の方が言うので間違いないと思います。
村上さんは、肢体不自由の子どもの椅子を30年にわたって作り続けています。姿勢保持用の椅子です。試行錯誤しながら作っているうちにわかったのは、「いい姿勢」「正しい姿勢」は人の体に無理をさせているということでした。肢体不自由であろうが、そうでなかろうが同じです。
人が椅子に座るとき、お尻、腰は自然とやや後ろに傾斜します。それにつられて背中も後ろに少し傾斜します。
ところが、横から見て直角の「いい姿勢」「正しい姿勢」は「後ろへやや傾斜」を許しません。筋肉に無理をさせています。だから長時間、座っていると疲れるのです。
肢体不自由の子であればなおさらです。椅子に座っていられないのは、子どもの体ではなく椅子に原因がある。そう気づいた村上さんは、人が座るときに「自然とそうなる傾斜」を受け止める座面の椅子を開発しました。
自然とその形に「なる」のであって、無理にその形に「する」のではありません。ここが大切なところです。姿勢保持とは、「座る時に自然とそうなる」姿勢の保持ということなんです。
村上さんが、この世界に入ったきっかけは、保育士時代に肢体不自由の園児のための椅子を作ったことでした。せっかく作った椅子ですが、子どもにとっては苦痛だったようです。自分が作った椅子で子どもがラクになってくれないということにショックを受けた村上さん。保育士をやめて、体の不自由な子のための椅子職人の道に入ります。
原因は子どもではなく、環境(この場合は椅子)にある。いい支援者に共通した考えを村上さんもまたおもちでした。椅子に体を合わせるのではなく、椅子が人の体に合わせる、というのが道具の本来のあり方なんだということを、村上さんの話を聞いて再確認した次第です。
昨日から発売している「姿勢保持用椅子PON・PA(ポンパ)」、撮影ですっかり女の子のお気に入りになりました。女の子は2歳、体が不自由ということではないですが、椅子の座り心地がいいらしくて、他の撮影が終わるとすぐにこの椅子に戻って座りたがりました。ご機嫌な顔をしているでしょ。
トビラコ店主
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