トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
困っている時に、「困っています」と言える人は、そう大変なことにはなりません。
仕事をするようになって、必要なことはなんですか? と特別支援コーディネーターの先生たちに聞くと、まず最初に、このことをおっしゃいます。
お腹が痛い、熱がある、だるいなどの不調を訴えることができなければ、体を壊します。
渡された説明書がうまく理解できないとき、「よくわからないので、教えてくれますか」とか「〇〇の意味がよくわかりません」と言えなければ、仕事をうまくこなせません。
困っていることは何かを具体的に伝え、相手にどうしてほしいのかをお願いできるスキルは、障害があってもなくても大切です。
この「困っています」が気軽に言える人と言えない人がいます。その違いはなんでしょうか。これも同じくある特別支援コーディネーターの先生から聞いた話です。
1.親が常に先回りをして、困らないようにされて育てられた人。
先回りしないで、あえて子どもに自分から要求を伝えられる場面を、特別支援の先生は作ったりします。
これは、何回かこちらでお伝えしていますが、筑波大学付属大塚特別支援学校時代の安部博志先生の話です。
プールに行った帰りに、お肉屋さんで熱々のコロッケを食べるのが生徒たちみんなの楽しみになっていました。コロッケにソースをかけてもらうととても美味しく食べられます。お店の人がソースをかけてコロッケを渡してくれるのですが、それをあえてしないように、安部先生はお店の人に頼みました。
するとお店の人は「善意の意地悪だね」と実にうまいこと言いながら安部先生の「作戦」に協力しました。
そうして、子どもが自分から「ソースをかけてください」と言えるようにしたのです。最初、子どもは黙ってコロッケを差し出したそうです。お店の人は「善意の意地悪」で何もしませんでした。子どもは自分から言わないとソースをかけてもらえないことを学び、自分から「ソースをかけてください」と言えるようになりました。
2.助けを求めても受け入れてもらった経験がない人。
困っていても「それくらい自分でやりなさい」と突き離されてしまうことが何度も続くと、その子は助けを求めなくなるでしょう。「なんでも自分でできるようにするのが「自立」と考える人がいます。でも、本当に自立している人は、自分が困った時に、何に困っているのか、どうしてほしいのかを具体的に伝えられる人だと思います。協力者を得ることができる能力ともいえます。
「自分でやりなさい」は、その芽を摘んでしまうかもしれませんね。
これと並んで禁句だと思うのは、「そんなことも知らないの?」という言葉。知らないから聞いているのに、これを言われたら、人に聞くことをしなくなりますよね。
特別支援コーディネーターの先生だけではなく、長年親の会を主宰してきた人たちからも1と2を何度聞いたことか。
ある親の会の人は、親自身も「困っていることを、具体的に伝えてほしいし、どうしてほしいのかを伝えられるスキルは必要、とおっしゃいました。結局、障害あるなし関係なく、子どもだろうが大人だろうが援助を求めるスキルは全員必要ということですね。
トビラコ店主
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