トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
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身の回りにあるものは、なんでも教材にしてしまう先生がいます。
教科書やドリルを使わなくても身近なもので学ぼうというわけです。
編集者時代に取材させていただいた先生たちもそうでした。
「花瓶に活けられたチューリップ3本を、数えなくても3本とわかるようになるといいのよ」と幼児教室の先生は話していました。「数えなくても、見て、わかる」ようになるということが大切なんだそうです。これが「量の感覚」です。
「プリントだけで覚えるんじゃなくて、お花でも、お菓子でもなんでもいいからモノを使うといいのよ」とのことでした。
『今すぐ使える! 特別支援アイデア教材50』(佐藤義竹著 筑波大学附属大塚特別支援学校教材教具研究会編著 合同出版)には、3つのプラスチックのケースにそれぞれ「3」「4」「5」と大きく書いたカードを貼り、その数が描かれたイラストのカードを入れるというアイデアが載っていました。「数詞」と「量」の関係です。「数詞」というのは、量とか順序を表す数字。
これ、さらに発展させて、実物をいれるというのはどでしょうか。今の季節なら栗を「3」の箱には3個、「4」の箱には4個、「5」の箱には5個というように。そのうち、3個の栗は数えなくてもわかるようになると、量の感覚が身につくということになるのかもしれません。
生活体験の乏しい子は算数でつまずくという話を聞いたことがあります。
たとえば、こんな問題で。
赤ちゃんを800グラムのカゴにのせて計りました。
体重計の針は4キロを指しています。
赤ちゃんの体重は何キロですか?
という問題。単位換算ができているかどうかもテストするわけですが、
4000-800=3200
答えは、3.2キロです。
32キロと答えた子が何人もいたそうです。
先生が嘆いていたのは、単位換算ができていないということよりも、「赤ちゃんの体重32キロ」に疑問をもたないかったという点です。
32キロというと、小学生なら自分くらいの体重になってしまいます。
数字そのものは、抽象的です。でも単位がついたとたんに具体的になってきますよね。
余談ですが、私は体重計が我が家にくると、しばらくは1日に何回ものって遊んでいました。朝と晩で体重の変化はないか。食前と食後はどうか。測って確かめていました。それから、巻き尺でなんでも計ったりしたこともありました。量の感覚、長さの感覚をみにつけようとしていたわけではないのですが。遊びです。わざわざ算数のお勉強というのでなくてね。それから、家から公園までの歩数を歩きながら数えると、距離の感覚も身につくかもしれませんね。身の回りにあるものは、なんでも教材です。
トビラコ店主
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
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