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2020.11.03

「トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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支援計画やら指導計画書を前にすると、ときどきモヤモヤすることがあります。「目標達成」のために、なにかするという、この動きがなんだか商品を作っているように見えてくることがあるんです。ごめんなさい、そうじゃない支援がほとんどだとは思いますが、時々そう思えることがあるということです。

 

モヤモヤしている時の指南書となるのが、安部博志先生(元筑波大学附属大塚特別支援学校支援部長、現創価大学教育学部准教授)の『子どもの発達を支える アセスメントツール』(安部博志著 合同出版)。再読しました。

 

 
なんとなく見落としていた「個別の指導計画」の作成と活用10のポイントで次のように書かれていました。
 
これまで保育や教育の現場では、子ども自身がどうしたいかという点は、あまり重要視されこなかったかもしれません。
「個別の指導計画」は、本人の「意思」や「自己決定」を尊重して作成します。子どもが自分の意思を表明できない場合には、保護者の思いや願いを汲み取り、指導目標や支援に反映させます。
(『子どもの発達を支える アセスメントツール』より)

注:「個別」というのはクラスなどの「集団」ではなく、子ども個人だから「個別」ということです。
 

これですよ、これ。私がモヤモヤしていたのは。さすが、安部先生。製品を作るように計画を立てて、そこに子どもをあわせるのではなく、子どもの願いを汲み取るということなんですよね。これ、もっと多くの人に知ってほしいです。
 
その子にふさわしくない目標を設定してはいけませんよ、という例として、こんなことも書かれていました。

 
人と関わるのが苦手な子に「主体的にコミュニケーションができるようになる」という目標は設定すべきではありません。コミュニケーションが苦手であるというその子の特性そのものを変えることはむずかしいからです。

 

 
「主体的コミュニケーションをとる」は子どもの問題ではなく、教師(支援員)の課題。
 
そして、さらに安部先生は厳しく「主体的にコミュニケーションをとる」という目標そのものがあいまいですよ、と述べています。それよりは、もっと具体的に。自分から、「おはよう」と挨拶できるようになるなど、具体的な目標を立てなさいアドバイスしています。
 
これも、すごく納得できます。漠然とした抽象的な目標よりも、小さな「できた」を重ねるって、生きていく上でもすごく大事なんじゃないでしょうか。「食べ終わった食器を自分で流しまでもっていけた」とか「ハンカチを忘れずに鞄にしまった」とか。目標が具体的で身近だと「できた」がすごく増えます。
 
「変えられない」特性を(漠然と)なんとかしようとするのではなく、「変えられる」状況をつくって、目標を具体的にする、ということなんですよね。「特性」が本当の意味でわかっていないと、支援がすごく間違った方向にいきそうです。
 
「特性」は変えられないけど、「環境」や「状況」は変えることができるし、その子が「できる」ことを自然と増やすことができるということですよね。
 
 

 
 

トビラコ店主

 

 

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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)

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