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2020.11.09

「トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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教材は使う人によって、まるでちがってくるということを、先日知りました。
 
好きなのどっち?」を使っている、ある学習支援の塾を見学させていただいてびっくり。

「好きなのどっち?」は、とてもシンプルなルール。引いたカードに描かれたイラストのうちのどっちが好きか、どういうところが好きを答えるだけ。まわりの人たちは黙って聴きます。
 

 
これだけなんですけど、やってみるとその子の意外な答えに驚いたりして楽しめます。コミュニケーションゲームの類という捉え方が一般的なんですが、その塾は違いました。
 
学習塾なので、「言葉」を軸に、さまざまに活用していましたね。
 
たとえば、こ選んだ好きなものから連想されるものをどんどんつないでいく連想ゲーム。
 
つなぐ言葉として「〜といえば」を入れて答えやすくしていました。
 
「チョコレートとアイス」で「アイス」を選んだとします。
 

 
「アイス」といえば、「冷たい」。「冷たい」といえば、「雪」。「雪」といえば「冬」。「冬」といえば「スキー」。「スキー」といえば、「ウインタースポーツ」。「ウインタースポーツ」といえば、「冬季オリンピック」。「冬季オリンピック」といえば「長野」。。。。。というように、延々とつながっていくわけです。これをひとりでやってもいいし、順にひとりずつ、前の人の言葉を受けてやってもおもしろいです。
 
で、前置きが随分とながくなりましたが、びっくりしたのはここからです。ひとりで答える連想ゲームは、一般的には、連想できる言葉は5〜6個くらい、10個でてきたら多い方です。
 
でも、私が、塾の先生にみせていただいた小6女子は、10個なんてものではありません。まるで機関銃のように次々と言葉が出てきて、先生の方が「もう、その辺にしておこうか」と止めたくらいです。
 
それは、このような感じでした。
 
「ぶどうとりんご」で「ふどう」を選びました。で、「〜といえば」が始まります。
 

 
「ぶどう」といえば「果物」。「果物」といえば「甘い」。「甘い」といえば「おかし」。「おかし」といえば「砂糖」。「砂糖」といえば「自然」。「自然」といえば「森」。「森」といえば「緑」。「緑」といえば「草」。「草」といえば「苦い」。「苦い」といえば「薬」。。(中略)。。。。「アメリカ」といえば「トランプさん」(中略)「政治」といえば「時代」(後略)と延々と続きます。

 

おそらく、100個はいけるんじゃないでしょうか。あまり考えずに出てくるのがすごい。この女の子は学校で一番の忘れ物女王で、九九ができずに、書字に問題があるそうですが、言語能力は極めて高いのだとか。学校では「勉強のできない子」とみられていますが、読書の量がすごくて、頭の回転が速すぎて、まわりがついてこれない、いわゆる「浮きこぼれ」だそうです。
 
学習塾の先生とのやりとりで関心したのは、「ラーメン」選んだ時です。例によって次々の言葉が飛躍してポンポン言葉が飛び出す彼女に、「いまは、(カードにある)ラーメンの話だから、ラーメンについて話してください」と制して、まわりの人が混乱しないように導いたことです。その子も、頭のいい子ですから、すぐに気づき話を修正。このようなちょっとしたフォローがあるとまわりを意識して話せるようになるのかもしれないと思いました。
 

食べ物だと盛り上がることが多いです。

 
この女の子の例は特別ですが、一般的に「好きなのどっちの?」の連想ゲームは、年齢が上がるほど答えに詰まるそうです。なぜなら、正解がないからです。正解のある問題にだけ慣れてしまうと、正解のない問題はとてもとまどってしまうわけです。むしろ、小さな子のほうが、次々と出てきます。そして、学校の枠におさまりきれない子の中には、連想できる言葉がまるで機関銃を撃ちまくるように次々と飛び出してきて驚きました。驚きなんてものではなくて驚愕です。口あんぐりというくらいに、すさまじい勢いで飛び出します。検査をすると言語能力が突出して高いそうです。ただ、学校では「勉強ができない子」扱い。その子の回転の速さにまわりがついていけず、いわゆる「浮きこぼれ」なんだそうです。

 

もうひとつは、「抽象」と「具体」で言い換えていくゲーム(とあえていってしまいますが、本当は国語の学習)。

「ぶどうとりんご」(具体)、つまり「くだもの」(抽象)。
 
「くだもの」(抽象)、たとえば「ぶどうやりんご」(具体)。
 
「比べる」ゲームもできます。
 
「ぶどうとりんご」の同じところ、違うところ。
 
同じところ。果物。3文字。皮をむいて食べる。丸い。など。
 
違うところ。ぶどうは房だけど、りんごは房ではない。ぶどうの皮は手でむけるけど、りんごの皮は手でむけない。など。
 
国語の学習ということでいうと、論理的な思考を養うことにつながるそうです。
 
「好きなのどっち?」は、どちらかといえば、低年齢を意識していたのですが、そんなことはなくて、高校生男子もやっていましたね。要は活用する人しだいで、いくらでも応用できるということです。
 

佐藤義竹先生。

 
きっと作者の佐藤義竹先生(筑波大学附属大塚特別支援学校)も想定していなかった使い方だと思います。

この話、いずれ、コーナーを設けて詳しく解説しますね。

 
 
 

トビラコ店主

 

 

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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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