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2020.11.21

「トビラコへようこそ!

〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
 
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。

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(本日配信のメルマガの記事を掲載しています)
 

重い障害のある子を通常級に入れることについて。昔から賛否両論がありました。インクルーシブ教育ということが言われる以前からです。障害は重いかもしれないけれど、同じ年齢の障害のない子と同じ教室ですごしてほしいという親心、わからなくはないです。
 
いやいや、それは親のエゴであって、障害のある子にあった教育を受けさせるべきだし、通常級に入れてしまうと他の子からいじめられるかもしれない。このように言う人の気持ちもわからなくはありません。
 
でも、時代は変わりました。
 
それまでの「養護学校」は、「特別支援学校」という名称に。通常学校に設置されていた「特殊学級」は「特別支援学級」や「通級指導教室」「情緒学級」「ことばの教室」など、さまざまな呼ばれ方をしています。当初は、名称が変わっただけと冷ややかに見ていた人もいたかもしれません。でも、名称変更に遅れて、教育の内容も大きく変わってきました。
 
特別支援教育も、いまでは教職の免許取得の課程に義務付けられています。つまり、特別支援教育を知らないと先生になれないのです。
 
都内のある特別支援学校は就職率がとても高く、就労後も先生がフォローしてくれるというので、入学するのにものすごい競争率になってしまいました。
 

 
それまで特別支援教育(という名称すらなかった時代)は、通常級を外された教師や定年まで数年を残した閑職に近い教師が携わることがありました。もちろん、そんなことがあってはならないのですが、そのような風潮があったことは否めません。でも、いまは違います。最初から質の高い特別支援教育をめざす教師が特別支援学校にはいます。また他業種から入ってきて研鑽を積み、質の高い支援教育をする教師もいます。もちろん、そうでない残念な教師もいて、時々残念なニュースになっていますが。。。
 
教師の意識がかわると、学校や学級も変わります。
 
自ら支援級を望んだ女の子がいます。発達障害をかかえ、とくに聴覚過敏の特性が強く、騒がしい通常級は苦痛です。音楽の授業となると地獄。イヤーマフをつけると音が聞こえなくなるので、片方の手で耳を塞ぎながら、もう片方の手で鍵盤ハーモニカという困難な状況におかれてしまいます。親に連れられてあるとき「支援級」を見学にいったら、いっぺんに気に入り、自ら望んで支援級に通うようになりました。少人数の静かな教室は、その子にとっては居心地のいい場所になり、いまではのびのびと学んでいるそうです。
 

 
特別支援学校を子どもが希望したケースもあります。重い識字障害の高梨智樹さんは、幼い頃から「周期性嘔吐症」という持病もありました。学校を休むことが多かったり、遅れて登校したりしていたのですが、クラスメイトに「なぜ遅れてくるのか」「なぜ学校をよく休むのか」と聞かれることが、とても苦痛だったそうです。小学校の先生のすすめもあって特別支援学校に入りました。特別支援学校は、知的な遅れや肢体不自由がなくても、病弱な子も受け入れています。
 
特別支援学校では病弱の高梨さんのペースで授業を受けることができました。それまで「勉強ができない」と思っていた高梨さんですが、識字障害に配慮された授業で、勉強したことがどんどんわかるようになったそうです。
 
その特別支援学校の先生から、人生の転機ともなる「東京大学先端科学研究所技術センター(通称:先端研)」の「DO-IT Japan」(ドゥーイットジャパン=Diversity, Opportunities,  Internetworking and Technology )と出会い、その後、父親とドローンで撮影する会社を起業します。
 

 
通常級か、別の選択か。子ども自身に問われることがいままではあまりなかったように思います。自分で選択できるようになった子たちが、必ずしも通常級を選ばなかったという事実は、意外と知られていないかもしれません。

 
 
 
 

トビラコ店主

 

 

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発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)


 
発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)


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