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障害のある子にとって、良き理解者、良き支援者を得ることは一生の宝になります。
ところが、いちばんの「無理解者」がもっとも身近な人のことがあります。子どもの父(夫)であることは少なくありません。
「おれだって、3歳ごろまで、しゃべらなかったらしいぞ」
「療育に通わせなくても、年齢がきたらできるようになるよ」
「漢字なんて、繰り返し練習すれば覚えられる。頑張りが足りないんだよ」
こうしたことを、お父さんは本心から言っていると思います。その一方で、子どもの障害を受け入れられない、受け入れたくないという気持ちも強いのだと思います。
療育施設を運営している方のなかには、ご自身のお子さんが発達障害であることが少なくありません。妻が支援の仕事をしていても、「夫は頭でわかっているかもしれないけれど、本当には理解していない」というケースがあります。
重い識字障害の 高梨智樹さんの父親昭浩さんも、最初は「無理解者」でした。
頑張れば勉強ができるようになると思っていたと著書で述べています。実際、智樹さんに「一緒に勉強しよう」と言っていました。
いちばん理解してほしい人なのに、理解してくれない。こんなとき、どうしたらいいのでしょうか。
こういうときこそ専門家の力を借りることをおすすめします。
スクールカウンセラーというと、子どもの相談だけと思われがちですが、母親が相談するのもありです。「夫の理解が得られない」というのは、スクールカウンセラーにとっても知っておきたい情報です。子どもを取り巻く環境、とくに親との関係はカウンセリングするうえでも大きな助けになると思います。そのうえで、アドバイスをしてくれるでしょう。場合によっては、「お父さんも連れてきてください」となるかもしれません。
スクールカウンセラーは、ちょっとハードルが高いという人も多いかもしれません。
園や学校の行事に誘ってみてはいかがでしょうか。
家庭の中では、特に問題なく過ごしていると思っていた子でも、集団の中での行動を見ると障害があることを認めざるを得なくなってくることがあります。園や学校の先生に相談して、行事に父親参観と記したお知らせを配布したり、「連絡帳」に書いてもらったりしてもいいですよね。
園や学校の先生との面談もいいと思います。妻のいうことは聞かなくても子どもがお世話になっている先生の話は受け入れることができるかもしれません。1回の面談では無理でも、何回か先生と話して打ち解けていくうちに徐々に受け入れるということもあるでしょう。
もっと専門家ということであれば、発達支援センターなどの相談員に。自閉症スペクトラムの息子さんをもつ人気ブロガーのアマミモヨリさんのご主人も「障害を認めない派」でした。が、発達支援センターの相談員の見立てを伝えたところ、あっさりわが子の障害を認め、アマミさんに謝った話がブログに書かれています。
「わが子の障害を受け入れる」という話になると、母親だけがフォーカスされます。父親の「障害受容」を考えることも必要だと思います。世間体を気にする男性はわが子の障害があることを言い出せずにいることが多いものです。職場で子どもの話が出ようものなら孤立感を強めてしまうかもしれません。
父親を孤立させないためにも、おすすめしたいのは、障害のある子とその家族が集まるイベントへの参加です。参加者全員が同じ境遇です。なにも隠し立てすることはありません。互いに同士のような気持ちで接することができるかもしれせん。父親も参加できる親の会があれば、なおおすすめです。
できるだけ子どもが小さいうちに、夫にも理解をしてもらえるようにしたいものです。そうでないと、「わがまま」「頑張りが足りない」という定形発達の子と同じものを求め、やがてそれが不毛な親子バトルに発展しかねないからです。
妻だけが、なぜ夫の理解を得るためにあれこれ考えなければならないのかというのは、もっともな話です。でも夫婦で足並みが(ぴったりといえばないまでも)そろっていたほうが、妻ひとりががんばらずにすむようになるのではないでしょうか。
トビラコ店主
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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)