トビラコへようこそ!
〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
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(12/19配信のメルマガの一部を転載しています)
申請した人だけがサービスを受けられるのが福祉。「福祉は申請主義」といわれるゆえんです。
このところ、トビラコを通して福祉の制度を利用される方が増えてきました。
制度に詳しい方はとても詳しく、こちらが教えていただくことも多々あります。
「え、そんな制度あったの?」という方のために、実例をまじえながら、制度をお伝えします。
1割負担で購入できるもの
とてもとっつきにくい制度の名前ですが、「日常生活用具の給付」という制度があります。
お住まいの自治体のホームページで「福祉課 日常生活用具の給付」と検索してみてください。対象となるものは多岐にわたっています。自治体によっても違いはあるようですが、ほぼ同じとみていいでしょう。
日常生活用具の給付とはなんでしょうか?
文字通り日常的に必要とする用具の費用の一部を自治体(国)が負担しますよ、という制度です。
負担額の上限が決まっていますが、上限額内だと1割負担です。
例を挙げてみますね。
愛知県春日井市のお客様で、トビラコの「トーキングゲーム」と「すきなのどっち?」を「日常生活用具の給付」制度を利用して購入された方がいます。
通常の場合だと以下になります。
「トーキングゲーム」2,750円
「好きなのどっち?」2,750円
合計 5,500円
*税込、送料別
「日常生活用具の給付制度」を利用すると。。。
1割負担 550円(送料別)
春日井市は、発達障害の「療育用品」も「日常生活用具の給付」と認めています。「トーキングゲーム」と「好きなのどっち?」は、どちらも特別支援学校で使われているコミュニケーション能力を高めるための教材。療育用品です。開発したのも、筑波大学附属大塚特別学校の教師です。
療育用品を「日常生活用具の給付」の対象としている自治体は、まだ数は少ないように思いますが、お住まいの自治体の「日常生活用具の給付」対象となる範囲を調べてみてください。福祉課の窓口に電話でお聞きになるのもいいかもしれません。
ただし、ここでご注意いただきたいのは、どの自治体であっても共通しているのは購入前に申請することです。購入後では通りませんので、ご注意を。
購入先の業者を指定している自治体もあります。この場合、指定業者からの購入は認めるということです。購入先の会社が指定業者でなければ、その会社に頼んで指定業者になってもらうようにします。トビラコもお客様からの依頼で春日井市役所に申請して指定業者になりました。
40,000円台が10,000円台に
次に、限度額を超えた商品の場合です。
「日常生活用具の給付」で自治体の負担額には限度があります。上限は自治体によって違います。
これまでトビラコが扱った範囲での金額だと、おおむね、25,000〜35,000円くらいです。全国の自治体を調べたわけではありませんが、金額にそれほど違いはないように思います。
この場合のお客様負担額は次のようになります。
限度額の10%+限度額を超えた分
座位保持用椅子「シュクレN」を例にとります。
肢体不自由のお子さんが使う椅子ですので、「日常生活用具の給付制度」をご利用いただけるケースがほとんどです。
北陸にお住まいのお客様の例です。
K市の「日常生活用具の給付制度」の上限は33,100円です。
お客様が購入されたシュクレNは、41,800円
上限の10%・・・・・・・33,100×10%=3,310円
限度を超えた金額・・・・41,800-33,100=8,700円
お客様負担額・・・・・・3,310+8,700=12,010円
*税込(送料別)
41,800円の椅子が12,010円の負担ですみます。
「日常生活用具の給付制度」を利用するにあたっては、必要なものは1)福祉手帳 2)医師の意見書 3)購入先発行の商品の見積書のみです。シュクレNは、肢体不自由のお子さんが使う場合に給付の対象になります。
このほかにも病弱な子どもにかかる医療や医療器具の費用を助成する「小児慢性疾病の医療費助成」制度でも、日常生活用具の給付がおこなわれています。こちらも、あてはまるかもと思われたら、ホームページをのぞいてみてください。
いま、お伝えしているのは福祉制度のなかのほんの一部です。もっと全体を見渡したいというときにおすすめしたい本があります。『 障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』(渡部伸監修 自由国民社)です。この本は、子どものライフステージによって受けられるサービス、そして親亡き後のことまで書かれています。
監修者の渡部伸氏は、ご自身、重度の知的障害の娘さんの父親でもあります。行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーとしての専門的な視野と障害のある子の父親目線とで書かれた行き届いた本です。安心の一冊としておすすめします。
障害のある子を家族だけで育てるのは、とても難しいことです。さまざまな制度を活用し、コミュニティの助けを得ながら、社会の中で育てていくという意識が必要ではないでしょうか。福祉はそのための制度です。障害があろうがなかろうが、子どもは社会の中で育てるのであって、親だけがその役を担う必要はありません。
トビラコ店主
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小学館の子育てサイトHugKum(はぐくむ)に連載していました。
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トビラコが編集した本
『発達障害の子のためのすごい道具』(小学館)
『発達障害 あんしん子育てガイド』(小学館)