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子どもが抱えている課題を見える化して、支援の手立てをわかりやすく解説している『子どもの発達を支える　アセスメントツール』（安部博志著　合同出版）は、専門家にも専門家でない人にも強くおすすめしたい本です。
 
著者の安部博志先生（当時、筑波大学附属大塚特別支援学校支援部長）が、この本を手がけたのには、やむに止まれぬわけがあります。
 
201９年出版当時も今も、児童精神科医など発達障害を専門にしている医師にアセスメント（見立て）をしてもらうまでに、とても時間がかかるからです。特に有名どころの先生は予約がいっぱいで、1年待ちというところも珍しくありません。
 
半年も、1年も待っていたら、今、困っていて支援が必要な子は、困ったまま放っておかれることになってしまいます。そこで安部先生が本書を著したのでした。専門の知識がなくても、誰でもが子どもが抱えている課題を知ることができる方法と、課題に応じた支援の解説が伝授されています。
 
ことに、本書の目玉となっている、記入式の「発達段階アセスメントシート」「困っていること確認シート」は、安部先生が考案して長年にわたって現場で使い続けてきました。出版するまでに、7回改訂しています。子どもの様子を見ながら、バージョンアップしているのです。
 
このシートは、安部先生の研修会でも大人気で、当時は無料で配布していましたね。
 
「発達段階アセスメントシート」「困っていること確認シート」に、記入するためには子どもをよく見るようになります。それまで見過ごしていたかもしれない点も、注意深く見るようになるので子どもを見る目が変わり、それ自体支援に結びつくのではないでしょうか。

いろいろな意味で、よくできている本だと思います。

 
 

 

トビラコ店主

 

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