トビラコ ひらがな ディスレクシア

ひらがなを書くのが苦手だった子どもとつくった
「ひらがなれんしゅうちょう」

もじのかたちをとらえるための ひらがなれんしゅうちょう<改訂版>

この教材は、ひらがなが書けなかった小学4年生の男の子のために生まれました。最初に、開発者であるリヴォルヴ学校教育研究所の小野村哲先生の思いをご紹介します。


ひらがなが書けない。
その苦しさは、周りには見えません。

落ち着きがない。

集中力がない。

そう見られていた小学4年生の男の子がいました。
でも、じっくり関わっていくと、本当の困りごとは別にありました。
ひらがなが思うように書けなかったのです。

書こうとしても書けない。
覚えようとしても覚えられない。

私たちの教室に通い始めて間もないころ、すべてに自信を失っていた彼が小さな肩をさらにすぼめて

「ぼくは何もできないんだ」と言った姿が今でも目に焼きついています。

彼のために作ったプリントが、この「ひらがなれんしゅうちょう」の始まりです。

「きれいな字を書く」前に、「文字の形」が見えていますか?

この教材は、きれいな文字を書くことを最初の目標にはしていません。

まずは、

文字の形をとらえること。

「い」は縦棒が2本。
「こ」は横棒が2本。

一見遠回りに見えるかもしれません。
「そんな教え方でいいのか」とお叱りを受けたこともありました。

けれど私たちが大切にしているのはその子自身の「気づき」、そしてその子の歩幅にあった「スモールステップ」をふむことです。

最初は「縦棒2本」でも、まずは
「よく書けたね!」と、書けたことを認めます。折を見て、
「どうしたら、もっとかっこよくなるかな?」と声をかけることもあります。

声をかけることも…と書いたのは、実際にはただ見守ることも多いからです。前向きな気持ちで取り組んでいる子は、その子にとっての「タイミング」がくれば黙っていても自分で工夫を始めます。

「し」と「も」の違いはどう覚える?

最初にご紹介した男の子は、「し」をアルファベットの「J」のように書いて混乱していました。

そんな彼には「し」を「(犬の)しっぽの‘し’」として、「犬はどっちを向いていた?」とたずねることが、方向性を意識させる上で有効な手立てとなりました。

「も」の中にも「し」と似たパーツがあります。実は私自身も、国語のスタッフと一緒に彼のためのプリントを作るまで、その形の微妙な違いにずっと気がつかないでいました。

それは私だけでなく、多くの子どもたちにとっても、「しっぽの‘し’」として比べたほうが、気づきやすいようです。

「し」は最初、「傘の柄」に見立てたりもしましたが、それでは「(傘の柄が左右に)くるくる回っちゃう」と言った子もいました。

キャラクターの向き。

イラストの形。

覚えやすさ。

実際に使う子どもたちに聞きながら何度も修正しています。

「どっちがわかりやすい?」

「こっちの方が覚えやすい」

何人もの子どもたちと、そんなやり取りを重ねながら完成しました。

ひらがなが苦手な子は、少なくありません。
でも、その困りごとは、外からは見えにくいものです。

「落ち着きがない」
「やる気がない」

たまりにたまったストレスをさまざまな形で表現していた子が、本当は「書けない」ことで苦しんでいた。
そんな子どもたちを、私たちはたくさん見てきました。

早くから伸びる子もいればゆっくり伸びる子もいます。書くことについても、すべての子に「最初からお手本通りに」とするのはどうでしょうか?

最初の一歩だからこそ、「手を取るように書かせる」のではなく、多少遠回りをすることはあっても、自分で「気づき」、自分の歩幅にあった「スモールステップ」をふみながら、学ぶことの楽しさを味わってもらえたならと思います。

この「ひらがなれんしゅうちょう」が、


「書けた!」という最初の喜びにつながる一冊になればうれしく思います。

リヴォルヴ学校教育研究所
理事長 小野村 哲


「ひらがなれんしゅうちょう」の特長

① 形が似た文字ごとに練習

やさしい文字からグループごとに学べます。

「の」に線を一本加えると「め」になることに気づきます。

② 絵から文字の形をつかむ

文字の基本形を絵の中で印象づけます。

「し」は犬のしっぽ、「も」はしっぽに横棒2本、幅が少し狭くなっています。

③ 目だけでなく耳からも

リズミカルな書き順で耳からも覚えられます。

「あしくる」と声に出しながら、青虫の足の向きで覚えます。

④ スモールステップで無理なく練習

わずかな傾きや丸みをなぞりながら意識。

「い」や「り」をステップを踏みながら形を整えられるように。

⑤ 「気づく力」を育て、読む力にもつなげます。

ことば遊びをしながら、「あ、この字」「この、ことば」と気づく力を育てます。


練習の手順

練習は4つのステップ

  1. 指でなぞって、文字の形を感じる
  2. 書き順を声に出しながら書く
  3. 自分で書いてみる
  4. 白抜き文字や補助線を使いながら少しずつステップアップ

文字を思い出せないときは、

  • 書き順を声に出す
  • 指で大きく空書きをする
  • 見本を見ながら一部を書き足す

など、その子に合った方法で進められます。
大切なのは、無理なく、自分のペースで続けることです。
子どもによって、文字を覚える方法はさまざまです。
この教材は、一人ひとりの「できた!」を大切にしながら、自分のペースで学べるよう工夫されています。

「書けた!」の喜びを、一人でも多くの子どもたちへ。

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<商品仕様>

  • サイズ A4サイズ
  • ページ数 40ページ
  • 考案 NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所

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