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「発達障害の脳科学 子供から大人まで」というNewton(ニュートン)2024年11月号の特集、おもしろいのでおすすめです。
発達障害は「脳機能の不具合によるもの」ということは、すでに知られています。
脳の不具合とは脳みそそのものに問題があるわけではなくて、脳細胞同士のネットワークがうまくいかないということですが、ASD、ADHD、LDを取り上げて脳科学の観点から書かれています。
たとえば、ASDの人の脳は、目に飛び込んできた「部分的な情報だけを処理」してしまう傾向にあるそうです。定型発達だと、森という全体も木も同時に見ることができます。でもASDの人は木に目が奪われて森が見えない、まさに「木を見て森を見ず」なわけです。
この話で思い出したのは、だいぶ前のことになりますが、児童精神科医の内山登紀夫さんの講演です。内山さんは、講演で木が生い茂った写真をスクリーンに写し出しました。写真を指差しながら、ASDの人の中には、生い茂った木ではなく葉脈を見ている人がいるというのです。この場合は「葉脈をみて木を見ず」です。
葉脈も間違いではありません。よく見れば確かにそこに写っているわけですから。情報処理(脳細胞同士のネットワーク)が違うと、見えてくるものがこんなにも違ってくるわけです。
また、ADHDは、会話のタイミングがとれないという話も興味深いものがありました。会話のタイミングがとれないのは、小脳のネットワークの問題で、「時間知覚能の不具合」だそうです。専門的な話をすっ飛ばして要約すると、ADHDの人は自分基準の時間軸があるために、会話のキャッチボールが上手にできないのだとか。
定型発達の人だと、「自分だけ長く話さないようにしよう」と時間の長さを予測しながら話すわけですが、その予測ができずに自分基準の時間で話すと、自分だけ長々と話したり(長く話している時間の感覚なし?)、相手の話を最後まで聞かずに話し出したり(タイミングがつかめない?)してしまうわけです。
会話のキャッチボールというのは、テニスのように打ったら、打ち返すという感じなんでしょうね。でも自分基準だと、一方的に打ちっぱなしになってしまったり、相手が返すボールをキャッチしなかったり打ち返さなかったりしてしまいます。
会話のキャッチボールが「時間の感覚」の問題だったとはちょっと意外ですね。
で、小脳を鍛える運動が紹介されていました。グラグラするボードの上に立ちながら、目を閉じて簡単な計算をしたり、数を逆から数えたりするといいそうです。バランスボールの上に上手に座るのも小脳が鍛えられる運動になります。
「脳科学の目」で、発達障害が解き明されると、その子の努力不足や性格のせいではなく、まして育て方のせいでもないということがどんどん明らかになっていきますね。
そもそも、脳の機能はまだまだわからないことだらけなので、今後ももっと解き明かされていくのではないでしょうか。
トビラコ店主
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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
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