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「感覚統合」とは、ひとことでいうと感覚の交通整理です。
私たちの脳には、常に無数の感覚が入り込んできます。それは、まるで無数の細い川がひとつの湖に常に流れ込んでいるような状態です。無数の感覚をうまくふるいにかけることができるため、ひとつのことに集中できます。あるいは、その場にふさわしくふるまうことができます。
たとえば、あなたは、この文章を読むために、首を伸ばし、頭を適度に傾けて、体を安定させているかもしれません。これは無意識の感覚がなせるワザです。外で車の音がしたり、隣の部屋からコーヒーの匂いがしても、それらの感覚の情報をふるいにかけて、文字を読むことに集中できているわけです。
「感覚という情報をふるいにかけて、整理する」。これが感覚統合です。あちこちから入り込む感覚の交通整理です。交通整理ができないと、脳の中の神経は大渋滞をおこしてしまいます。大事な情報に集中できなくなってしまうのです。
感覚統合という見方を最初に「発見」し、提唱したのは、アメリカの作業療法士A・ジーン・エアーズ博士(1920-1988)。1960年代のことです。エアーズ博士は、著書で「感覚統合」を次のように説明しています。
感覚統合とは
・脳の無意識のプロセスである(呼吸と同じように、自分で考えることなく生じる)。
・感覚(味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、動きの感覚、重力覚、位置覚)によって感知された情報を組織化する。
・すべての情報をふるいにかけ、意識を向けるべき情報を選択する(外の車の騒音を無視して先生の話に耳を傾けるなど)ことで、経験に意味を与える。
・状況に合わせて意図した方法で行動したり反応したりできるようにする(「適応反応」という)
・学校の勉強や対人行動の基礎となる土台をつくる。
(『 子どもの隠れたつまずきを理解する 感覚統合の発達と支援』(A・ジーン・エアーズ著 岩永竜一郎監訳 古賀祥子訳 金子書房)より
エアーズ博士によると、感覚統合が完璧にできている人間は、ひとりとしていないそうです。だれでも、どこかしらに不完全さを抱えています。ただ、生活に支障をきたすほど、感覚統合が機能不全に陥ってしまうと、やはり支援が必要で、それを発達支援と呼んでいるわけです。
生活に支障をきたすほど、感覚統合が機能不全に陥ってしまうと、改善することができないのかというと、そんなことはありません。
感覚統合のための支援、それが療育です。
療育施設ではよく見かけるのに、一般には見かけない運動用具があります。
たとえば、ホーススイング。丸太状(もしくはかまぼこ型)のブランコです。しがみついたり、立ち上がったり、馬乗りになったり。さまざまなポーズで全身運動ができます。これらのポーズの運動にはそれぞれに意味がありますが、いずれも神経系統を刺激し感覚統合を促すそうです。
保護者としてできることのひとつに、エアーズ博士は、子どもを混乱させそうな状況(大騒音、予定の変更など)から、遠ざけることをあげています。
また、もし吐きたくなったら、床の上ではなくトイレに行って吐くことを教える。たとえトイレに行ってはけなかったとしても、罰を与えるのではなく、それが恥ずかしいことと思わせないこと、とエアーズ博士はアドバイスしています。
ベースにあるのは、子どもが安心して過ごせることであり、まわりから否定されずに過ごせることです。
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