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2025.05.25

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発達障害の特性を知ることは、人類の進化の過程を知ることなのかもしれない。

育てにくい子には わけがある 感覚統合が教えてくれたもの』(木村順著 大月書店 2006)を読むと、そんなふうに思えてきます。
 
ヒトは脳を進化させる過程でさまざまな感覚を獲得し、最初に獲得した感覚は「触覚」だそうです。最初といっても、海に棲息していたはるか昔のこと。

目(視覚)も耳(聴覚)もないヒト未満の生物が頼りにしたのは、皮膚感覚(触覚)。触れたものが餌なのか敵なのかを触覚で見分けて生き延びてきました。
 
餌なら食いつき、敵なら攻撃したり逃げたり。この動作を反射的に行わないと命にかかわります。触覚は目であり耳でもあったわけです。やがて、ヒトは視覚、聴覚、嗅覚、味覚という感覚のチャンネルを持つようになり、それが餌なのか敵なのかを見分けて行動できるようになりました。
 
ところが、触覚(の一部?)が昔のままの状態で脳に残っている(記憶しているということか)と、触られると反射的に逃げたり、叩き返すなど攻撃したりすることがあるのだとか。これが「触覚防衛反応」と呼ばれる特性で、発達障害の子にしばしばみられます。

「叩きたくて叩いたわけじゃない、手が出てしまったんだ」という子は、まさに「触覚防衛反応」が出てしまったのでしょう。他の子を叩かないようにと手をゲンコツにして自分の口の中に入れている子の話を読んだことがあります。
 
粘土や砂を触れない、ドロドロした感触が苦手、水に触ることができないというのもやはり「触覚防衛反応」のひとつだそうです。触っているうちに「慣れる」ということはなく、触覚防衛反応そのものをやわらげることが必要。
 
触覚防衛反応は、触覚を頼りに生きていた「原始系」の脳であり、触覚は進化を遂げ、触ったものが安全なものか危険なものかを識別する能力を得ていきます。これが「識別系」。「識別系」は、原始系の暴走を抑制します。
 
ポケットに入っているものの中から、手で触って小銭だけ取り出せるのは「識別系」が働いているから。識別系の働きを促すことで、原始系の脳を抑制できるというのが感覚統合の理論に基づいた療育です。袋の中に入っているものを手で触って当てるモンテッソーリのメソッドは、まさに識別系を育てているのだと、木村さんは本書で述べています。

 
『育てにくい子には わけがある 感覚統合が教えてくれたもの』は20年近く前に出版されているのに、古さを感じさせません。時代が追いついたように思います。子育てや支援のノウハウ(それも大事ですが)だけに、終わらせずに根本から語っているので古くならないのだと思います。

 

トビラコ店主

 

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トビラコ店主が取材した記事が小学館子育てサイトHugKumに掲載
 
  
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小学館子育てサイトHugKumに佐藤義竹先生のインタビュー記事が掲載されました。
 

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