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2歳で重度自閉症と診断され、「障害児訓練」がわが子から笑顔を奪っているこのに気づき、独自の療育を編み出したクリスティン・バーネット。
彼女は居場所をなくした発達障害の親子のための療育の場を無償で提供するようになりました。
クリスティンの息子ジェイクは、なんと9歳で大学に入学し相対性理論に取り組むようになった桁外れの天才児でした。通常の療育があうはずがありません。
この話は『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』(クリスティン・バーネット著 角川文庫 2014)に詳しく書かれていますので、ご興味のあるかたはどうぞ。
この本は随所に、家庭療育のヒントが散りばめられていて参考になるのですが、クリスティンが大事にしていたのは子どもが笑顔になれるかどうか。そしてさらに大事にしていたのは親の笑顔です。
クリスティンは親が疲れ切っていないかどうかに細心の注意を払い、疲弊している親へのアドバイスを怠りませんでした。
子どもが自閉症、妻が癌を宣告され、みるみる憔悴しきっていった父親に「この先、どうしていいかわからない」と相談されたクリスティン。彼女は父親に次のようにアドバイスしたのです。
本書から引用してみます。
「提案しても良い? 今夜仕事からの帰り道に、チキンを一羽、それにローズマリーとセージを買いなさい」
「チキン料理なんてつくったことないのに!」
「オーブンを180度に合わせる。チキンの中にハーブを入れ、外側にバターと塩を塗す。オーブンに入れて一時間半よ。チキンの焼けるいいにおいが部屋に漂ってきたら、家にあるいちばんやわらかい毛布を十分間乾燥機に入れなさい。そして、あたたまったら毛布にくるまって、好きな音楽をかけ、家族が写ったアルバムを眺めるの。チキンが焼けるまで他に何もしてはダメよ。チキンが焼き上がったら、家族一緒に食卓について夕食をとりなさい」
(引用終わり)
父親はクリスティンのアドバイス通りにしたところ、別人のようにイキイキとしたそうです。
クリスティンは、人生は五感を積み重ねていくものだ、と言います。
でも忙しかったり、過酷な時期を過ごしていると、ひとはそれを忘れてしまう。予定に間に合うように必死に走っているときに、カシミアのストールの感触を思い出す人はいないし、駐車場から車を出そうとしている時に、ラジオのお気に入りの局に合わせようとはしないもの、だと。
いくら、親の笑顔が大事といわれても、笑顔になれないときはあります。こんなとき、五感を忘れてしまっているのだと思います。
花の香り、好きな音楽、おいしいもの。。。五感が喜ぶものを大切にすることは、自分を大切にすることなんですよね、きっと。
トビラコ店主
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トビラコ店主が小学館子育てサイトHugKumに執筆しました。
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