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2022.04.30

トビラコへ、ようこそ

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 

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数字や文字が色でみえるという、不思議な感覚の持ち主がいます。
 
子育て雑誌編集者時代に、取材したそろばん有段者の東大生たち(10段という強者も!)のうち何人かは、数字に色が見えると言いました。歴史の年号も色でイメージして覚えるのに苦労したことがなかったとのこと。もう10年以上前の話です。
 
数字や文字に色が見える感覚を「色字共感覚」と知ったのは、ずいぶんとあとになってから。今から思えば、そろばん有段者の彼らは、色字共感覚の持ち主だったのです。
 
久しぶりに当時の不思議な話を思い出したのは、色字共感覚の持ち主が発達性読み書き障害を「触覚」を通して改善する【言語聴覚士 宮崎 圭佑】を読んだからです。
 
宮崎さんは、文字の形を触って覚える解読版シートを開発し、特許を取得しています。読み書き障害の人にも有効な学習教具です。
 
文字の習得は、「見て、書いて、覚える」が一般的です。そのため繰り返し見たり、書いたりするわけですが、この方法で覚えられない子もいます。そのような子にとって繰り返し書く練習は「穴の空いたバケツに水をいれるようなもの」だと宮崎さんは述べています。
 
宮崎さんは「視覚と触覚をあわせると、記憶が増強する」という論文を見つけたのをきっかけに、解読版シート「触るグリフ」を思いつきました。違う感覚同士がつながることで記憶できることに興味を覚えたといいます。ご自身が字に色が見える「色字共感覚」の持ち主だったことが大きく影響しているようです。じつは、脳の「視覚」の領域と「触覚」の領域は隣接していてとても近しい関係にあるため、触って覚えるというのは理にかなっているそうです。
 
文字と色を関連づけて記憶する人とそうでない人がいます。文字の形と音(おん)が一致しない人もいます。そもそも文字の形を認識できない人もいます。それぞれに脳の情報処理の仕方が違っているわけで、人の脳の情報処理の回路は不思議です。ほんとうはひとりひとり微妙に、あるいはかなり違うのではないでしょうか。
 
脳の情報処理の仕方が人によって違うなら、その人にとっていちばん覚えやすい方法で覚えるのがいいに決まっています。どのような方法なら、自分は学びやすい(習得しやすい)のかを知ること。その方法を自分で身につけて学ぶこと。これが、本来の「自立活動」だと、文部科学省の特別支援教育の旗振り役だった人に聞いたことがあります。「空のバケツに水を入れるような学習」を避けるためにも、本来の自立活動は必要ですよね。
 

 

トビラコ店主

 

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