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2022.05.09

~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。
 

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得意なことを仕事に、とだれもがいいます。でも「得意」なことをだれもがもっているのでしょうか。
 
少なくとも、私は自分の「得意」がわからないです。わからないけれども「苦手なこと」「性に合わないこと」はわかります。
 
細心の注意を払わなければいけない作業。細かな計算が必要な仕事。簡単な絵で説明しなくてはならない作業が発生する仕事。これらは、絶対に自分には向いていません。
 
編集の仕事をしていながら、じつは「校正」も苦手でした。校正さんに誤字や脱字等を見つけてもらっているから安心して仕事ができました。それでも、見落としがあって、訂正を出したこともあります。
 
特に発達系の人は、自分の「苦手」なことをしないですむ仕事に就くべきだと思います。「べき」という言葉はあまり使いたくないのですが、この件に関しては「べき」を使います。
 
軽度知的障害があり、おそらく発達障害もある弟が就職する時代は、採用してくれるだけでありがたいという風潮だったと思います。特別支援学校(当時は養護学校)の先生が会社を紹介してくれました。
 
最初に就職したところは、電子部品を製造したり金属加工をしたりする会社でした。弟は、工場で金属の板のバリをとる仕事をしていました。この会社の課長さんはとても良い人でした。
 
「お母さん、息子さんはしっかりと仕事してくれます。障害があるからと低く見ないほうがいいですよ」と母に言ってくれたそうです。
 
ところが、その後、不況となり会社は移転。通うのに3時間近くかかるようなところに移ることになりました。そのときも、会社は「通えますか? どうしますか?」と聞いてくれました。しかし、あまりに遠くて退社を余儀なくされました。
 

その後、勤めたのは、地域の老舗の洋菓子屋さんです。パンも売っています。何人もの職人さんとパートの女性たちが忙しく立ち働いている職場でした。次々に、いろいろな人からやることをいわれ、いくつもの作業を同時進行しなくてはならなかったようです。
 
矢継ぎ早に飛んでくる指示、複数のことを同時進行。これが、弟がもっとも苦手とすることでした。ある日、弟は「おれは、タコじゃないんだ!」と、爆発したそうです。タコのように手がたくさんあるわけではないということです。さらに、この職場は突発的に残業が発生し、クリスマスシーズンは帰宅が夜中になります。体力的にもきつかったでしょう。ほどなく、この職場を辞めました。
 
もし、あのときに、弟の「苦手」を知っていたら、絶対に選ばなかった職場です。
 
最初の会社は、言われたことを黙々とやっていればそれでよかったので、弟の性に合っていたわけです。時間通りに終わり、休みもきちんととれました。見通しをたてることもできました。「苦手」な要素はありませんでした。老舗の洋菓子屋さんは、苦手なことだらけでした。
 
「得意」かどうかよりも、苦手な要素が少ないかどうか。「性に合っている」かどうか。そちらのほうが、仕事を決める上では重要ではないかと思います。
 
私自身、決して編集の仕事は「得意」ではなかったけど、多少苦手な要素があってもカバーしてくれる人がいて、性に合っていたのだと思います。「得意」や「才能」もなくても、「苦手」を避けていればなんとかなると思うのです。
 

 

トビラコ店主

 

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