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2024.07.31

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ディスレクシアの子のお母さんを何人か知っています。
 
お子さんの年齢はまちまちですが、生まれた年代と環境によって、その後の人生が左右されてしまうのがディスレクシアです。典型的な二人の例をあげてみます。ひとりは40歳前半の成人男性、もう一人は大学生の男性です。
 
成人になって働いている男性の話から。
 
ディスレクシアとわかったのは、発達障害の子を受け入れている高校時代、もしくは高校を卒業した頃ではなかったでしょうか。知的な遅れはないのに、どんなに努力しても漢字が書けないため「勉強ができない子」とみなされて、いじめの標的になってしまった小・中学校時代。その後、不登校に。一時的に中国地方にある子どもの居場所を作っているNPO法人で過ごしていた時期もあり、その時は別人のように明るくなったといいます。ただ、そこでも彼がディスレクシアが原因で様々な困難に直面していることは気づかれないままでした。
 
高校ではなんとかやっていけたものの、いったん染み付いてしまった「自分は何をやってもダメ」という思いがあるからなのか、仕事が続かないと母親から聞きました。いまはどうしているのでしょうか。うまく落ち着いてくれていると良いと思います。
 

もう一人の大学生の男性もまた、ディスレクシアで小学校高学年までは苦労しました。「自分はダメ」と思い込んでいたのですが、あるとき「お子さんはディスレクシアではないか」と気づいてくれた人がいて、そこから事態が急転します。
 
母親が必死に情報を集め、ご自身がディスレクシアの勉強をして、学校と交渉しパソコンやタブレットを使える道筋を親子でつくっていきました。パソコンが使えるようになると、それまでの書字の困難はウソのようになくなりました。その後、合理的配慮を申し出て受験し慶應大に合格します
 
「この子は勉強ができないわけではない。小さい頃から知的好奇心はひと一倍強かった」とずっと信じてきた母親です。でも「いい母親」だからだったわけではなく、逆に「いい母親」をやめたから、大学生の男性の道が開けたと話します。
 
彼女の考える「いい母親」とは、子どもの苦手をなんとか克服させるべく熱心な母親です。わが子が帰宅すると消しゴムを片手に待ち構えて漢字を書かせていたという話を聞いたこともあります。
 
ディスレクシアを知ってからは、親子で「努力のベクトル」を変えました。子どもが自分の興味のあるほうへ向かえるようにと舵を切ったのでした。そこから、息子さんの自己肯定感が上がってきたと思います。いまでは、ときどきマスコミに出て、同じ境遇の子を励ます立場になっているのを見ると、ほんとうに良かったと思います。

 
ディスレクシアへの理解はまだ途上ではありますが、冒頭の成人男性の時代に比べたら格段、理解が進みました。ただ、冒頭の成人男性も「好きなこと」を見つけられたら、また違った人生になっていたのではないかなとも思います。

 
ディスレクシアの大学生と母親の記事は、こちら。ちょっと前の記事ですが、お時間のある時にどうぞ。

学習障害の息子が慶応に合格、母が直面した「合理的配慮」をめぐる過酷な現実 困難な学ぶ機会の確保、心が折れる当事者たち

「80倍楽になった」iPadとの出合い、文字が書けない慶応生が語る「合理的配慮」個別最適な学びを保障する学校や教員の姿とは

 

トビラコ店主

 

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発達障害の子どもたちの「苦手」や「できない」が私を成長させてくれた。子どもを診断名でラベリングしないで!【筑波大学附属特別支援学校・佐藤義竹先生】

 

 
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