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〜店先で、ちょこっとおしゃべり〜
小さな変化の発見。
支援にも、子育てにも通じることかもしれません。
障害のある子に対して、療育の施設や学校では「個別支援計画書」の作成が義務づけられています。でも、計画書づくりに戸惑っている先生や支援員は少なくありません。そこで、『子どもの発達を支える アセスメントツール』(安部博志著 合同出版)が、とても売れているわけですが、この本をギュッとひと言でまとめると、「目の前の子どもの小さな変化に気づいてね」ということです。
「気づき」が先、「計画」が後です。その逆はうまくいきません。計画が先ではありません。
一瞬だけ、話が逸れます。よく支援計画でセットとして語られる手法に「PDCAサイクル」があります。
PCDAとは、Plan(計画)、 Do(実行)、 Check (評価)、 Act(改善)です。ビジネスの現場で使われている言葉だそうです。ビジネスを効率よく進めるための手法ですね。今は古いと言われています。ビジネスというのは、計画書通りにはいかないし、現場の状況や時代の変化によって必要とされるサービスや商品が変わってくるからです。計画書に縛られて、すでに必要とされていない商品を開発するのは本末転倒です。
ま、それはさておいて、『子どもの発達を支える アセスメントツール』は、気づき(SEE)が先です。
<SEE> <PLAN> < DO>のサイクルです。
『子どもの発達を支える アセスメントツール』より
<SEE>とは「発達段階を知る」ということなんですが、ここから出発することで「小さな変化の発見」につながるのです。
本書は、発達段階を知る手がかりがとても細かく分かれていて、かつ具体的です。
例えば、「社会性」の項目に
『子どもの発達を支える アセスメントツール』より
⬜︎わからないことを人に尋ねることができる。
というチェックポイント。
子どもを見ていないと気づけないし、これができるようにったら「成長」という「小さな変化」を発見することができます。
あるいは、
⬜︎自分の持ち物などを友だちに自慢しようとする。
というチェックポイントもあり、あ、これも社会性のひとつだと気づかされます。
「社会性」といったときに、「仲良く遊べる」という漠然とした認識だと、小さな変化には気づけないでしょう。
著者の安部博志氏は、筑波大学附属大塚特別支援学校に23年勤務し、勤務の後半は学校外で支援コーディネーターとして、1万学級以上を巡回し、教師や保護者の相談にのり支援してきました。
『子どもの発達を支える アセスメントツール』より
アセスメントについても、「子どもの個性や特徴を見ていく『ワクワク体験』であって、できないところに注目する冷たい数値データではない」と解説してくれています。
子どもの支援計画は、PCDAといったビジネス用語や数値で語れるものではないと思うんですよね。
このことに気づかせてくれたのは、ゆうやけ子どもクラブの運営者、村岡真治さん。『まるごと入門 障害児の人格を育てる放課後実践』(村岡真治著 全障研出版部)の中で、PCDAサイクルへの違和感とともに、次のように語っています。
どんな方法論にも、流行りすたりがあるものです。特定の方法を鵜呑みにしたりせずに、私たちは徹底して、子どもひとり一人から出発する。そして、子どもを人間にふさわしく育てる—-。これらを念頭に置いて「支援計画書」も考えていくといいのではないでしょうか。『まるごと入門 障害児の人格を育てる放課後実践』より
子どもが先、計画が後。計画が先にきてしまうと、計画通りに進めようとしてしまうんですよね、どうしても。子どもは計画通りに作る製品ではありません。
「ご利用者様のニーズにお応えする」とビジネスモードで語る事業所の職員に対しても村岡さんは手厳しい。ある時、どんなニーズに答えるのかと聞いたら、「ボトルを穴に差し込む訓練と挨拶を教えます」と答えたそうです。村岡さんは「薄っぺらな理解」とバッサリ。社会(会社)に適応する人材という名の製品を作っている感覚ですよね。
村岡さんは、じつは今の放課後等デイサービスの立役者です。10万5千筆を超える署名を集めて、厚労省にかけあい、放課後等デイサービスの法の制度を確立させました。障害のある子の放課後活動実践のオーソリティでもあります。だからこそ、「もうけ主義」のみに走る放課後等デイサービスや子どもを製品づくりのように考えている事業所を看過できないわけです。
トビラコ店主
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