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2022.03.24

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梅切らぬバカが東京新聞映画賞を受賞しました。
 
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50歳になる自閉症の忠さん(塚地武雄)と母親の珠子(加賀まりこ)の物語です。「心温まる」映画と評されることが多いのですが、実際は深刻な話です。忠さんは、言葉をあまり発することのない重度の知的障害を伴う自閉症。珠子は70代。他に家族はいません。当然、珠子は将来のことを考えてしまいます。忠さんのグループホーム入居を試みるもうまくはいかず。地域で暮らす難しさがリアルに描かれています。
 
映画の場面、ひとつひとつがとても具体的でリアルなのは、脚本を書いた和島香太郎監督が当事者親子にずいぶんと取材を重ねているからです。フィクションではありますが、実際にはかなりの部分が本当にあった話です。監督から直接お聞きしているのでまちがいありません。
 
自閉症の息子と母の暮らしを描く映画『梅切らぬバカ』で伝えたかったこと【和島香太郎監督に聞く】 
 
和島監督が「梅切らぬバカ」を撮るきっかけとなったのは、あるドキュメンタリー映画の編集に関わったことにあります。自閉症のひとり暮らしの男性を描いたドキュメンタリーです。映画を撮り進めるうちに男性と地域住民との間でたびたびトラブルが発生していることがわかりました。
 
男性は、映画のスタッフたちにはとても感じがよかったそうですが、近所の人へは必ずしもそうではありませんでした。映画では、地域の人へのインタビューはもちろん、地域住民を映すこともできなかったそうです。両者には埋めることのできない溝がありました。
 
この現状を伝えたくても、ドキュメンタリーでは限界があると感じた和島監督。映画というフィクションで伝えることにしました。
 
映画をご覧になった方は、親子の温かな物語とだけとらえることはできないと感じられたと思います。ではどうするのがいいのか。正解がないからこそ、観た人が考えざるを得ない。そこが監督の狙いでもあります。
 
では深刻なだけなのかというと、そうでもなく、ディテールはどこか笑えるところがあります。たとえば、ゴミの分別にこだわりをもつ忠さんが、ゴミ置き場で「これ、燃えるヤツ」「これ、燃えないヤツ」と下した「判定」にゴミ出しにきた近所の人たちが従います。自閉症独特のこだわりが活かされている場面が、なんだかおかしい。塚地さんと加賀さんといういい役者さんが演じていることも大きいでしょうね。映画としての完成度を高めていると思いました。
 
監督にインタビューした際に、「(ゴミ置き場の場面)笑っていいんですかね」と聞いたところ「笑っていいんです。笑ってほしいんです」とおっしゃっていました。
 
深刻な映画でありながら、ところどころに笑える場面を挟み込むことができる監督はいいですよね。なんというか、人の営みをぐぐぐっと俯瞰してみている感じがするのです。人間のありようを引きのアングルで撮ることができるのも監督の仕事ではないでしょうか。特に障害のある子との暮らしの中で、笑いが一切消えたら、きついですよ。
 
「梅切らぬバカ」は、5月にブルーレイ&DVDが発売されます。予約も始まっているようです。検索してみてください。

 
 

トビラコ店主

 

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大ヒット映画「梅切らぬバカ」の監督にインタビューしました!
 

自閉症の息子と母の暮らしを描く映画『梅切らぬバカ』で伝えたかったこと【和島香太郎監督に聞く】 

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