トビラコへようこそ
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『わたしが誰かわからない ヤングケアラーを探す旅』(中村佑子著 医学書院)に、次のようなくだりがあります。
「助けてと言えない子どもたち」というのが流行っているんだけど、そういうふうにラベリングすることで、「子どもが助けてと言ったとしてもアンテナが立っていなくてキャッチできない社会がある」という事実が隠されていて。(中略)キャッチされないから黙らされているだけかもしれないのに、子どものほうの責任にしないでって思う。
「困った時にはいつでも連絡してね」というけど、いま困っているのに見過ごされている、というくだりもあります。
本書は、ヤングケアラーをめぐるかなりヘビーな内容ですが、ヤングケアラーを言語化する難しさをも伝えてくれています。あたりまえですが、ヤングケアラーひとりひとりに別の物語があるということです。
「助けてと言えない〜」や「困った時にはいつでも連絡〜」を、能登半島地震に結びつけて考えてしまいました。
あれだけの震災です。全員が困っています。それなのに、現地に足を運んだボランティの人たちがなぜか批判されています。国会議員さえ批判の的です。国会議員であれば、「助けて」の声にアンテナを立てるのは当然ではないでしょうか。で、その声は現地に行かなければキャッチできないことがいくらでもあると思います。
たとえば、私は阪神淡路大震災の時、「がんばろう神戸」というかけ声とは裏腹に、がんばれずにアルコール依存症になって職を失った人たちの話を、現地で聞きました。こうしたことは、マスコミが随分と後になって報じたように思います。あれから東日本大震災を経て、状況も随分と変わったと思います。それでも東日本大震災での避難所でもやはり助けが来なかったためのトラブルは、仕事仲間の仙台在住の人に聞きました。
現地の人の要請を待とう。邪魔しないようにしようというのもひとつの考え方かもしれません。でも、それは私も含め安全圏からの発言です。少なくとも現地に足を運んで現地の人の声を聞いて、あるいは遠慮して要請しない人の困りごとに応えるべく先回りして動く人が批判される社会に、ひんやりしたものを感じてしまうのです。
与えられて初めて、ああ、これは自分が求めていたものだ気づく場合もありますよね。
トビラコ店主
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