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心理カウンセラーの東畑開人さんの名著『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)には、駆け出しの頃の東畑さんの体験が書かれています。
精神科に入院するほどでもないけど、心を病んだ人たちのケアを行う施設のでの話です。
カウンセラーとしての仕事をなかなかさせてもらえない東畑さんに、ようやく相談を持ちかけてくれた女性の利用者が現れました。はりきった東畑さんは利用者とふたりきりの部屋でとことん話を聞きます。それは壮絶な半生を送った悲惨な話でした。でも、その利用者は、カウンセリングを受けてからパタッと施設に来なくなったのです。
そこで、東畑さんは気づきます。そして自分のしたことを深く後悔するのでした。
彼女が求めていたのは自分の心の傷を曝け出すことではなく、東畑さんとの居場所であり、施設という居場所だったのです。だから、むしろ自分の心の傷には触れてほしくなかったのでした。多少の脚色はあるのでしょうが、核となる部分はこの通りなんだと思います。
その後、東畑さんは『ふつうの相談』(金剛出版)も出しています。この本を、ものすごく乱暴に言ってしまうとカウンセラーでなくても(カウンセラーじゃないから)引き受けられる相談もあるということです。
話したくない傷があり、相手もそのことをわかっていて、あえて聞かない。だけど互いに場は共有している。そういう関係であってもいいわけです。
阪神淡路大震災、そして東日本大震災で被災し、しばらく交流のあった人たちが当時のことを問わず語りに話してくれたのは震災から4、5年経ってからです。東日本大震災で被災した人の話は、その家族の深い悲しみが伝わってくるものでした。また別の被災した人の話は、あまりにも残酷で悲しすぎて蓋をしなければ生きていけないような内容でした。
大変な思いをしたに決まっている人に、あえてそこは聞かない、まして聞き出すようなことはしない。こじ開けてはいけない蓋があることは知っておいた方がいいのではないかなと思います。
トビラコ店主
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