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2024.01.30

トビラコへようこそ

 
~店先で、ちょこっとおしゃべり~

お試しいただける商品をまとめました、こちらです。


 
教材作りの原点は、それを使う子どもの顔を思い浮かべることではないかと思っています。
 
プリント学習で知られるKUMONは、公文公(くもんとおる)氏が、息子のために計算問題を作ったのが始まりです。公文氏は、当時、物理の高校教師でした。彼は学年の枠を外して、子どもの理解力に合わせてステップアップできるように作りました。もうひとつ、公文氏が気をつけたのは、短時間で終わる問題であることです。短時間終われば、子どもが勉強嫌いにならないと思ったからです。「学年枠を外して子どもに合わせる」「短時間で終える」は、今で受け継がれています。
 
編集者時代、勉強が遅れ気味の子のためにプリントを作っている先生を取材したのは20年近く前。徒歩圏内にコンビニすらない山あいの小学校の先生でした。先生は、その子のためだけのプリントを作り、宿題もその子専用に出していました。そういう目配りのできる先生のクラスなので全員の学力が上がり、学年でいちばんになりました。今の先生方は忙しくてひとりの子のためにプリントを作ることはできないと思います。
 
でも、本当は、たったひとりの子のために作った教材は、多くの子にとってもよい教材です。教材としての力があります。
 
「あの子なら、ここでつまずく」「あの子なら、これができると自信がつく」というように、たったひとりの子を深く見ることで、つまずきや苦手の本質が見えてくるのかもしれません。
 
トーキングゲームも、またたったひとりの子のために、特別支援学校の先生が作りました。もととなっているのはアンゲームという海外のゲームです。そのアンゲームもわが子のために母親が作ったのが始まり。一時的に声が出なくなった母親が、伝えたいことをカードに書いてやりとりしていました。それが、親子にとっておもしろく、だんだんとカードに書かれる内容が深い話にまでなったようです。
 
アンゲームにヒントを得た特別支援学校の先生が、ある青年のために作ったのがトーキングゲームです。青年は自暴自棄になって心を閉ざしていました。心配した母親が先生に相談にやってきたのです。最初は関心なさげだった青年ですが、次第に自分からトーキングゲームをやりたがるようになり、徐々に自分の心の中に溜まっていたものを吐き出すようになりました。
 
このトーキングゲームが、今では日本全国の子どもやおとなが使っています。
 
子ども全般を広く浅くみるのではなく、たったひとりの子を深く見て作られた教材に出会いたいと思うのです。ただ、皮肉なことに、たったひとりの子のために作った教材がヒットし、作った教師がマスコミでもてはやされるようになると、その教師はおうおうにして違う道を選んでしまいます。そして「たったひとりの子」が見えなくなってしまいます
 
あ、念のため、トーキングゲームのことではありません。トーキングゲームを作った先生は、マスコミにはほとんど興味がなく、すでに教師を引退されています。その気になればカリスマにもなれた先生ですが、あえてその道は選びませんでした。それで良かったと思います。今は、ご夫婦で旅行したりして幸せそうに暮らしています。

 

 

トビラコ店主

 

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