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4月10日は「きょうだい(児)の日」です。なぜ、4月10日なのかは調べるとわかると思いますが、調べていません。
私自身、知的障害のある弟と妹がいるので、立派な(?)なきょうだい児(?)です。
弟が小学生時代は、当時高校生だった私が親代わりに林間学校に同伴して、弟の同級生たちと遊んだこともあります。妹の学校では運動会で先生と一緒に走ったこともありました。年齢が離れていたからできたことです。
年齢差に関係なく、障害のあるきょうだいの学校に行ったり、きょうだいの同級生と遊んだりすることをさせない親もいます。
どちらがいい悪いというのではなく、きょうだい児というのは、ひとくくりにできないほど、さまざまな環境に置かれています。1000人いたら1000通りなのに、ひとくくりな語られ方には常に違和感を覚えてしまいます。
共通して言われるのは、「きょうだい児にさみしい思いをさせないようにしましょう」であったり、「親なきあとにきょうだい児の世話をさせない」であったりします。その通りなのかもしれませんが、これもなんだか違和感があります。
障害のある子を育てるのは、障害のない子の子育てとは比べものにならないくらい大変です。障害のある子の世話でいっぱいいっぱいの親に、きょうだい児への目配りが求められるわけです。そんなことはほとんどの親はわかっていると思います。わかっているけど、それどころではない現実があります。
きょうだい児が語られる時、もうひとつ違和感があります。こちらの方が大きいかもしれません。言い方に要注意なのですが、障害のあるきょうだいが「迷惑」という考え方が透けて見えることがあって、悲しくなることがあります。
とても極端な例をあげます。障害のある妹が入所施設から帰宅する日は、「あの子が帰ってくるなら、私はホテルに泊まる」という姉がいるそうです。なんだか、ひんやりしたものを感じます。それを許す母親の気持ちのどこかに「障害のある子は、ない子に迷惑をかけている」と思っているのではないでしょうか。
こんな例を耳にしたこともあります。知的障害のある兄から性的暴行を日常的に受ける妹に対して、「(兄の行為が)他の人じゃなくて、あなた(妹)でよかった」と言う母親がいるそうです。母親へ憤りを感じると同時に、妹の心の傷の深さを思うと、やるせない気持ちになります。
きょうだい児といっても、あまりにも環境が違いすぎてひとことで語れないということです。ただ、子どもに障害があろうがなかろうか、母親の姿を子どもは見ています。母親が障害のある子は「迷惑」と心のどこかで思っていれば、それがきょうだい児に伝わります。障害のあるきょうだいの「犠牲」になることをやむなしと考えていると、それもまたきょうだい児には伝わります。
きょうだい児に対して、親がどのようなスタンスでいるのがいいのか正解はないと思います。でも、「あなたは、あなたの人生を生きなさい」と言うのと同時に「困っているときは助けてね」という気持ちも伝わるといいなと思います。目の前の家族が困っているのに知らんぷりしてしまう人間には育ってほしくはないと思うのですが。これもまたひとことで語るのは難しいですね。
トビラコ店主
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