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「人を見るな、場所を見ろ」
犯罪学が専門の小宮信夫さん(立正大学教授)が、提唱している防犯の鉄則です。
「い・か・の・お・す・し」は、今でも小学校の防犯教育で使われているのでしょうか。何かの頭文字を繋げたんだと思いますが、思い出せません。小宮さんは「い・か・の・お・す・し」では、子どもを犯罪から守ることはできないと言います。まったくその通りで、何の頭文字なのか検索すればわかるのでしょうが、検索しないとわからないくらい、覚えられないということです。
それよりは「犯罪が発生しやすい場所」に子どもが近づかないように教えるべきと、小宮さんは全国の小学校を回って防犯教育に勤めています。私も編集者時代には小宮さんの防犯教育を見学させていただきました。
犯罪が発生しやすい場所とは、「入りやすく、見えにくい場所」です。誰もが入ることができ、いったんそこに入ると外からは見えにくい場所で犯罪は発生するというのです。
つい、私たちは犯罪を「人の見た目」で判断しようとしてしまいます。「不審者」「怪しい人」という固定概念があるからです。警察が配布するチラシに描かれている「不審者」はサングラスをかけて、キョロキョロしていたりします。でも実際には、そんなにわかりやすい不審者はいません。
たとえば、性犯罪の加害者を見分けることなんてできません。学校の教師や塾の講師だったりします。あるいは親戚の優しいお兄さん、おじさんだったりします。もっとも性犯罪や不審者からは縁遠いと思っていた人たちが、実際には子どもと二人きりになった部屋(外から見えにくい場所)で行われていたことが、最近の報道でも明らかです。
だから、人ではなく場所なのです。
小宮さんが、防犯教育でまず最初に教えるのは通学路の「危ない場所」の見分け方です。小宮さんの話を聞いて通学路の「危ない場所」をマークした地図を子どもたちが作ります。そして、子どもたちと実際に通学路を歩きながら確認します。
私も同行しました。途中、立ち寄った公園で、小宮さんは小さなプレハブ小屋の後ろを指差し「生まれたばかりの子猫がいるよ」と言いました。
ほとんどの子どもたちは「え!見たい」と行って、プレハブ小屋の裏を見に来たところで、小宮さんがひとこと「ここは、どんな場所?」と子どもたちに聞きます。生まればかりの子猫なんていません。子どもたちは騙されて、自らプレハブ小屋の裏に近づいたのでした。
公園は誰もが入れる場所です。そして、いったん入ると外からは見えない場所がいくつもあります。プレハブ小屋の裏がまさに、その場所です。植え込みの陰やトイレも、いったん入ると見えにくい場所です。
「い・か・の・お・す・し」を覚えるよりも、不審者を見分けようとするよりも、まずは犯罪が発生しやすい場所を子どもに教えるべきではないでしょうか。
小宮さんのホームページは参考になることがたくさん書かれています。ぜひご参考に。
トビラコ店主
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