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2024.05.05

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療育に通わせると軽度の知的障害なら通常級に入学できると思っている保護者がいます。ある療育施設の職員から、こう聞いてちょっと驚いたことがあります。
 
知的な遅れがない発達障害の場合、通常級に在籍して通級指導教室という選択肢があるでしょう。でも軽度とはいえ知的障害があると療育に通わせたからといって、入学先が通常級になるということはまずないと思います。
 
軽度の知的障害や境界知能の子は、小学校1年生程度なら他の子と変わらずに勉強できます。でも、2年生、3年生になると徐々についていけなくなり、高学年になったらお手上げです。
 

IQ85の弟は、小学校で通常級に入学しました。今でいう境界知能ですね。1年生の2学期が始まる前だったか途中だったかで、担任の先生に母が呼ばれて支援級(当時は特殊学級)のある学校に転校するように言われました。当時、母にとっても私にとっても晴天の碧礫でした。本(と言っても絵本程度)も読めて、計算もできて、テストで100点近い点数が取れるのに、なぜ? という怒りすら湧いたのでした。担任を恨みもしました。
 

でも、結論から言うと、それが正解でした。当時の支援級は特別支援教育がうまくなされてはおらず、それはそれで問題だったのですが、少なくとも弟は通常級に通わなくてよかったと思います。高学年になって勉強がついていけなくなったでしょう。そして発達障害の特性がかなり強いため、通常級に通ってもおそらくつらい思いをしたでしょうし、いじめにあっていた可能性もあります。
 
弟はその後、特別支援学校の高等部に通いました。そこに通常級に通っていた男の子(境界知能だったかも)が転校してきたのですが、その子は壮絶ないじめに遭って通常級にいられなくなったそうです。男の子のお母さんは「この学校は、天国のようだ。いじめがないし、息子と友達になってくれる子までいる」と言いました。「天国」を聞いて、どれだけの地獄を味わってきたのだろうと想像し、胸が詰まるような思いでした。
 
軽度の知的障害、境界知能である場合、通常級なり支援級に通わせる目的を考えると、頭の中の整理ができると思います。学校は学習するところであり、友人を通して人間関係を学ぶところでもあります。そして通常級が基準にしているのは定型発達の子です。学習なら、定型発達の子が理解できる速度や難易度で進むし、人間関係にしても基本的に担任の先生のフォローはあまりないと思った方が良いと思います。
 
通常級にこだわる人自身が、支援級への偏見がある場合も多いと感じています。母や私が最初にそうだったように。
 

トビラコ店主

 

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