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経験のないことに挑戦することで人はスキルアップします。
子どもが成長するのを見ているとわかりますよね。これまで登ったことのないちょっと高いところであったり、自転車に乗れるようになったり。
これって、誰にでもあてはまることなのですが、支援者にも同じことがいえるんだなと『ゼロへの道のり 株式会社ふくしねっと工房の挑戦』(友野剛行著 ルネッサンス・アイ 2017)を読んで知りました。
著者の友野さんのところへは、「支援困難」と言われてどこの施設でも受け入れてもらえなかった人も受け入れています。友野さんは、支援者のスキルを上げるのは、これまでに支援したことのない利用者であり、「支援困難者」と言われる人だといいます。支援者が相手の障害特性をよく見て、試行錯誤しながら支援していくからです。もてる力を総動員し、あれこれ試すから支援者は力がつき、スキルアップします。自信もつくでしょう。支援する側、される側、そして家族、三方よしです。施設にとっても良いから、四方よしですね。
支援者が相手を選別していてはスキルが上がらないと、友野さんは語ります。つまり支援者が今ある知識や経験だけで(できれば楽に)支援できそうな人だけ選んでいては、経験だけは増えるかもしれないければスキルが上がらないのは当然といえば当然です。
この本、ずっと積読だったのですが、ふと手にしたらやめられなくなって、最後まで一気に読みました。あまり知られていない本かもしれないけれど、福祉の仕事に携わる人には強くおすすめします。支援を受ける側が読むと良き支援者とよき福祉施設の見分け方がわかります。長く読み継がれてほしい本です。
支援者のスキルアップのくだりで、ダウン症の妹の手術のことを思い出しました。
妹はダウン症、知的障害、そして自閉症の強い特性もあります。言葉による意思疎通も限定的で難しいところがあります。
その妹が腰の滑り症が悪化しました。口には出さなかったのですが、腰が相当痛かったのでしょう。5歩歩いては腰を屈めて休むようになりました。医師に見てもらったところ、手術をしなければ歩けなくなると言われました。
母はお茶の水にあるJという大きな総合病院で相談したところ、医師から「一生治りませんよ」とすげなく言われました。医師はろくに妹の顔も見ずに、パソコンに向かっていたそうです。母は悔しくて聖橋(お茶の水の有名が橋)で涙をこぼしたといいます。
ところが、神様はいるものです。妹のいる施設のかかりつけクリニックにたまたま来ていた若い医師が妹を診て「手術できます、しましょう」とあっさり引き受けてくれました。
彼の勤めているSという総合病院も偶然ですが、お茶の水にありました。執刀にあたったのは、彼の上司にあたる医師です。その上司もS病院もこれまで、ダウン症の人の手術はしたことがありませんでした。でも、引き受けてくれました。そして100%成功しました。
当時執刀してくれた医師は、その後、腰の手術で日本一と言われるようになり、たびたび新聞にも登場するようになりました。
スキルアップのチャンスは向こうからやってくるんだと思います。向こうからやってきた人(課題)を受け入れるかどうかで決まるのです。だから、もし、あなたのお子さんが支援困難といわれたとしても、快く受け入れてくれる支援者はスキルアップできる支援者だと思います。
トビラコ店主
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トビラコ店主が教育新聞に連載中
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