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昨日は「放課後等デイサービスのこれから」というオンライセミナーに参加しました。
講師は、福祉の世界にこの人ありと言われる又村あおいさん。日本最大の親の会である全国手をつなぐ育成会連合会の常務理事であり、内閣府障がい者差別解消法アドバイザーでもあります。
又村さんは、複雑でわかりにくい話を、これ以上噛み砕けないというくらいにわかりやすく教えてくれる人でもあります。
昨日もそうでした。令和6年度から、放課後等デイサービスの法改正及び報酬が改定される話はご存知の方も多いでしょう。
でも、具体的に何かどう変わるのかについて、子どもを通わせている保護者はよくわからないと思います。
一言でいうと、1)発達支援に特化させる 2)保護者の就労を考慮する、です。時代の変化に対応した改正です。
2)を先に説明すると、今の時代、働いている母親が8割近くです。放デイは利用時間延長のニーズにも応えてよしとなりました。ただ、延長の報酬はそれほど多くはないため、余裕のある事業所のみに限られてしまうかもしれません。
大きく改正されたのは1)の発達支援です。
発達支援がきちんとできている放デイだけ残るのが、令和6年度の法改正です。
では、その放デイが発達支援をしているかどうかを、どこで確かめたらいいのでしょうか。これは指針があります。厚労省から示された以下の5つの領域をカバーしているかどうかです。
「健康・生活」
「運動・感覚」
「認知・行動」
「言語・コミュニケーション」
「人間関係・社会性」
児童発達支援ガイドライン等の概要こども家庭庁(支援局障害児支援課)などに書かれています。
この5つの領域で支援していることは、保護者にも開示しなければなりません。なので、保護者から聞いていいわけです。
これまでのように単に「預かり」だけでは放課後等デイサービスとは認められないのですが、個人的には「預かり」だけでもいいからしてほしいという保護者もいるのではないかなと思います。ただ、障害の知識なしに「預かり」だけだと問題が起きることもあるので悩ましいですよね。
もうひとつ、ここ最近増えてきたと感じられるのは「学習塾」「習い事教室」と変わらない放課後等デイサービスです。これらは発達支援ではないので、そのうち姿を消すようになると思います。実際、放課後等デイサービスと称して習い事教室をしていた事業所は閉鎖に追い込まれています。
法改正によって、放デイはいい方向に向かうと思います。
オンラインセミナーで、これは保護者も知っておいた方がいいと思ったのは、避けた方がいい放デイの見分けかたです。
1)子どもに大きな声で「おまえ!」と呼ぶ職員がいる放デイ
又村さんによると、大声で子どもを「おまえ」呼ばわりするのは虐待だそうです。すぐに通報して、自浄作用できるようにした方がいいとのこと。
施設の虐待というのは、いきなりは起きません。その施設の空気から生まれます。子どもを「おまえ」と怒鳴る職員がいると、大声で怒鳴って子どもを指示に従わせる空気が生まれてきます。それが徐々に暴言や暴力に発展しまう可能性は極めて高く、まずは虐待が生まれる空気が醸成されないうちに悪い芽をつんでおくことです。
2)子どもたち全員がタブレットでゲームしている放デイ
さすがに、今はこんな放デイはないと思いますが。これは支援でもなんでもないわけで、職員も発達支援についての知識があるかどうかが疑わしいですよね。
3)自主的お試しをしてみる
塾は体験学習がありますが、放デイは「お試し」がありません。なので、自ら「お試し期間」を決めて、合わないと思えば辞めてしまうという自主的お試しをしてみてはどうかというのが又村さんのアドバイスでした。
ほかにも盛りだくさんでしたが、以上が、昨日のセミナーのほんの一部をかいつまんでお伝えしました。
ただ、放デイは地域差があります。都市部は数が多いので選べますが、放デイの数が少ないとそうはいきません。なので保護者が声をあげていくしかないのかなと思いますね。
トビラコ店主
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トビラコ店主が教育新聞に連載中
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