トビラコへようこそ
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ちょっとハードな話になります。子どもにも通用するかどうかもわかりません。
暴力を振るう人(障害があるなし関係なく)が、自分のしでかした暴力に対して謝罪してきたらどうするかという問題です。
何十年も障害者の雇用を生み出してきた(というよりも障害者と一緒に働いてきて、それが結果として大きな事業になった)人がSNSでこの問題について書いていました。
その人が立ち上げて運営している事業所は、強度行動障害だろうが、前科のある人であろうが、境界線を一切引かずに受け入れてきて成功しています。
で、その人の結論は、「謝罪を受け入れてはいけない」というものでした。
知っておいて良いことと思ったので、こちらにもシェアします。
なぜ受け入れてはいけないのかというと「謝罪すれば暴力は赦される」ということになってしまうからです。
ああ、確かにそうですね。
この話で、私はあることを思い出しました。
不登校、ひきこもりの青年など居場所のない子どもや大人に居場所を提供しているNPOのバーベキュー大会に参加した時のことです。そのNPOは30年以上も前から活動していて、主宰者もスタッフも信頼のおける人たちです。
バーベキューも終わり、みながあちこちで花火に興じていた時です。NPOのスタッフのひとりに、男性が近づいてボソッと「昨日はすみませんでした」とあやまっていました。男性はかなり大変なことをしてしまったのでしょう。身を小さくしていました。何があったのかなと想像している私の横で、謝罪をされたスタッフは顔をこわばらせて空を見上げていました。
そのスタッフは、NPO法人の立ち上げメンバーとして身を粉にして働き、いつもにこやかな人だっただけに、空を見上げるひんやりとした雰囲気にとても驚きました。なんで謝罪を受け入れないんだろう。ずっと引っかかっていました。でも、おそらく「謝罪すれば赦される」にしないためにスタッフは受け入れなかったんでしょうね。今さらながら、あの時のスタッフの対応の真意に気づいた次第。
「悪いことをした、申し訳ない。これからは絶対に暴力は振るわない」とあらゆる言葉で、あるいは行動で謝罪されると、つい受け入れたくなり、赦したくなります。
赦した人、赦された人、その場だけ関係が良くなるかもしれません。でも、謝罪を受け入れてしまうと、また暴力を振るうようになるでしょう。だって、暴力を振るっても赦してもらえるわけですから。
謝罪を受け入れないのは、一見冷たいように思えるかもしれません。でも、それが結果として、その人が「暴力は人から受け入れもらえない、赦されない」と学ぶことができます。赦すのは一見温かいように思えますが、その人は「暴力を振るっても謝れば赦される」ことを学び、また同じことを繰り返します。
なんでも受け入れれば良いというものではなく、受け入れてはダメなこともあるわけです。
ただ、その人のその「行為」は受け入れないけど、その人を受け入れないわけではない。このことを伝えるのも大事ですよね。
トビラコ店主
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