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障害児者の「身体拘束」という言葉はとてもインパクトがあって、とんでもない話という文脈で語られます。
とんでもない身体拘束がニュースになるからです。ニュースにならなくてもとんでもな事案は発生しているでしょう。
でも、医療では「身体拘束」が必要な場面もあります。それも「とんでもない」の分類に入れてしまうと、必要な人に必要な治療が施せなくなってしまいます。
私の妹は重度の知的障害で自閉の傾向が強くて、感覚過敏があります。複雑な意思疎通も困難な妹の歯の治療には、身体拘束が必要です。治療中に突然、体を動かしたら危険ですからね。
歯科医での身体拘束は、診察台で横になった患者の体全体を厚手の布で覆い、面ファスナーで台に固定、手首と足首も面ファスナーで固定します。体は動かせませんが、それほどきつく固定するわけではありません。
余談ですが、自閉症の多くの人がそうなように、妹は体を拘束されるのが好きで、自分から面ファスナーをしてくれといいます。
妹が診てもらっている歯科は障害児者専門です。「身体拘束」については敏感です。のちのち問題にならないように、最初に必ず「身体拘束」の同意を家族から得るようにしています。
身体拘束は虐待のイメージが強いため、とんでもない行為と思われるかもしれません。でも、障害児者に危険が及ぶ可能性があり、それ以外に代替手段のないときのみ身体拘束は許させるというルールがあります。家族の同意はもちろん必要です。身体拘束以外の代替手段があるなしについては議論が分かれるところですが、ここでは触れません。
でも、少なくとも治療中のわずかな時間は、まさに「患者に危険が及ぶ可能性があり、ほかに代替手段がない」に該当すると言っていいでしょう。
身体拘束しないことをよしとしている障害児者の歯科医がいると耳にして、ちょっと驚きました。身体拘束なしで十分な治療ができる患者ばかりではないんじゃないかなと思うのです。
それとも身体拘束が必要な患者は受け付けないということでしょうか。だとしたら障害者差別解消法に抵触します。
もし、障害児者専門の歯科医で治療を受ける際に、医師から身体拘束の同意を求められたら、それは医師が必要と判断しているからです。できれば同意して、医師が治療に集中できるようにすることが、結局は子どものためになると思います。
問題は、治療中に暴れて、身体拘束も嫌がる場合どうするかですね。麻酔をかけて治療する障害児者専門のクリニックもあります。詳しくは日本障害者歯科学会のホームページで検索してみてください。
トビラコ店主
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